「博士と狂人」「ある画家の数奇な運命」「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい！」「ニューヨーク 親切なロシア料理店」「ヒトラーに盗られたうさぎ」

「博士と狂人」
オックスフォード英語辞典の誕生秘話。辞書の編纂事業に苦心するマレー博士の元に詳細な単語例文が届く。送ったのは殺人で精神病院に入院中の元軍医マイナー博士。2人は編纂の文通を通じて友情を深めるが。監督P・B・シェムラン。メル・ギブソンとショーン・ペン共演。完成まで70年かかったそうな。原作はサイモン・ウィンチェスター著ノンフィクション『博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話（英語版）』イギリス映画よりアメリカ映画っぽい印象。

「ある画家の数奇な運命」
ナチ政権下、主人公の叔母は精神を病み安楽死される。成長して女性と知り合うが、彼女の父親は主人公の叔母の死に関わった元ナチの高官だった。知らないまま彼女と結婚するが彼が真実を知った時。現代美術界の巨匠ゲルハルト・リヒターの半生をモデル。逮捕を逃れるために転々とする父親は結婚後も高圧的。結婚を阻もうと施した処置に皮肉にも。リヒターは写真の模写を微妙にピンボケ風にした作風。実際映画のような見事な復讐を果たしたのか。フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督

「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい！」
戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」の誕生秘話。スランプ中の劇作家エドモン・ロスタンは大物俳優の舞台の脚本のチャンスを得るがタイトルしかない。時間がない中で友人の恋文を代筆する勝手に文通することで執筆が捗る。だが公演直前に。楽しいコメディ
wowowのW座エピローグで「七色いんこ」の話題が出たね。懐かしい。舞台の紹介が冒頭にあり、その舞台のパロディみたいな漫画という構成だった。シラノの話は2巻。

「ニューヨーク 親切なロシア料理店」
DV夫から逃れてニューヨークに来た母と2人の子供達。しかし外に出た子供が凍えて病院に運ばれる。ロシア料理店に雇われた刑務所帰りの男、彼と共にいる弁護士、料理店の常連の真面目な看護師。母子と知り合った彼らは彼らを助けようと動く。監督ロネ・シェルフィグ

「ヒトラーに盗られたうさぎ」
ナチスト党が政権を取る前に反ナチのユダヤ人批評家の一家は危険を感じ亡命する。ドイツの絵本作家ジュディス・カーの少女時代の実話。スイス、フランス、イギリスと亡命するうちに困窮し、フランスでは言葉が通じない。でも明るいのは子供の視点の亡命生活だからかな。