mixiユーザー(id:1833966)

2021年10月14日05:34

75 view

NHK−BSプレミアム『シャーロック・ホームズの冒険』で観る19世紀末のロンドン

 NHK−BSプレミアムで毎週水曜日に再放送されている『シャーロック・ホームズの冒険』は、ミステリーだが、筋立ては単純で分かりやすい。
 それだけに退屈とも言えるのだが、僕が飽きもせず録画し、暇な時に観ているのは、ドラマが19世紀末のロンドンを舞台にし、大英帝国が世界最強の国家だったヴィクトリア朝時代当時の習俗を見せてくれるからだ。

◎連絡は電報、タクシー代わりは馬車
 例えばホームズが関係者に連絡するのに、電報がよく使われている。まだ電話はなく、当時で最も早いコミュニケーション手段だったからだ。
 ホームズの下宿するベーカー街に、タクシー代わりの手軽な交通手段として馬車が走る(写真=下宿の窓からベーカー街の通りを見下ろすホームズ)。ウマの落とす糞で、路上が黄色くなっている。当時、ロンドンの街頭はさぞかし臭かっただろう。きっと日常的にハエも飛んでいたに違いない。
 よそ行きの女性は、印象派の絵のような服を着ている(写真=『ぶなの木屋敷の怪』で)。

◎ロンドンの街中でガチョウ飼育
 ある時の回で、クリスマスの前の晩、死んだガチョウがホームズの所に持ち込まれた。むろんクリスマスのご馳走用なのだが、その来歴を探して、ホームズは市場などを探し回る。その中で、当時ロンドンの街中でガチョウが飼育されていたことを知り、目を見張った。むろん田舎のガチョウ飼育農場はあったのだが、庶民の主婦が副業として労働者街の家の狭い庭を囲い、そこでガチョウを飼い、クリスマスに向けて出荷していたのだ。
 またロンドンの市街地は今日ほど広大ではなく、ほんの数キロで田園地帯が広がり、そこに石造りの城のようなお屋敷が点在していた。

◎コカイン中毒だったホームズ
 繁栄する大英帝国を象徴するように、南アフリカだとかインドなど、当時の植民地帰りの人たちも、よく登場する。そもそもホームズの相棒のワトソン医師も、かつてアフガニスタンに軍医として赴任していた経歴の持ち主だ(写真)。
 いちばん僕が驚いたのは、ホームズが、コカインやモルヒネを常用する薬物依存であったことだ。当時は、コカインもモルヒネも合法だったが、このことはロンドンの上流階級の間ではかなり使われていたことを物語っている。薬物に手を出すのは、同居する相棒の医師ワトソンが何年もかけて止めさせた。
 ホームズが廃人にならなかったのは、ワトソン医師のおかげだ。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202110140000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「見果てぬ夢か、サハラ砂漠ど真ん中の世界遺産タッシリ・ナジェール周遊」https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1977211844&owner_id=1833966

4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年10月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31