獣人の国なだけある歩いているほとんどが多彩な人のような獣だ。
普通の人間は目立つ。尻尾のない僕達はジロジロ見られている。
まあ、偽尻尾買ってつければいいか。
通りかかった露店でニ十�僂�らいの赤栗毛の尻尾と白いのをそれぞれの髪の色と同じのを買ってつけてみる。
「うん、似合ってるよサートリ」
僕がそう言うと彼女は照れながら、
「あ、りが、とう。ドラ、ッヘ、も、似、合っ、てる、よ」
そう言い目を細める。喜んでいるのがわかった。
うん、可愛い。かめらぁ欲しい。
「ギ、ルド、行、こう？」
僕はその言葉ではっとなった。
ギルド行かずサートリを愛でてたい欲求が。
「うん、行こうか」
ああ、ギルドで何かありそう。
数分歩いた場所にギルドはあった。
ドアを開けると中に居る獣人達が一斉にこちらを見る。
二人で入っていくとまるで目踏みされている感じだった。
カウンターにつきギルドの受付の獣人に登録をお願いした。
「最低ランクGになります」
周りからクスクスと笑う声が聞こえてくる。
「受けれるクエストありますか？」
受付の人が数枚紙を出し並べる。
薬草採取ばかりである。
「この薬草集め請け負います」
僕がそう言ったとたん爆笑が上がった。
びっくりしたのかサートリが抱き着いてきた。
虎のような獣人が近づいてきた。
二mあるだろうか、そいつは僕等を見下ろしながら。
「んなちっこいのがちっこいのを連れて薬草収集がお似合いだぜ」
来た面倒くさいの。僕が背が高くて筋肉隆々だったら来ないのだろうか？
右足一本、背中に二本のナイフ、腰にショートソード、背中に大剣を持ってる人に普通話しかけないよな。あ、思っただけで悲しい。
「装備的に魔量なしか。んな大剣まで持って背伸びか？」
どっと笑い声が上がる。サートリが怖がっていたので受付を済まし外へ出ようとする。
「俺に勝てないから逃げようって事か。弱っちぃ」
クスクス笑う声を背にして出ようとしたら。
「無視かよチビが」
頭からビールをかけられた。
笑い声の中それははっきり聞こえた。
「集、まれ」
僕にかかったビールがサートリの指先に集まり、
「い、け」
僕にビールをかけた獣人の口の中に入り気道をふさがれその場に吐き出した。
「この女ぁ」
獣人が襲い掛かる前に、
「氷、の、牢、屋」
氷で囲んでしまった。何かを言って叩いているがびくともしない。
他の獣人達が溶かそうとしたり壊そうとしているがヒビすら入らない。
「彼、を、貶、すモノ、は、容、赦、しない」
サートリはスリングショットを構え言う。
魔量が溢れ氷や水の矢がサートリの周りを囲んでいる。
それを見て周りはビクビク怯え始めた。
「大丈夫だよ。出してあげて」
それを聞いたサートリは嫌々といった感じで消す。
氷に閉じ込められてた獣人はその場にへたり込み何か言っていたが、僕らはギルドから出ていた。
何処に行っても絡まれる。国が変わっても同じだった。
僕がもっと厳つければないのかな？
「はぁ」
サートリにバレないようため息をつくと、薬草取りのため森へと向かった。
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