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2021年09月19日12:35

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9/19 刀剣 もののふの心@サントリー美術館

京都から美術館友達のマイミクさんがいらした。メインは午後に観る展覧会二つということだが、私の体力に合わせて午前中サントリー美術館をご一緒することに。

茶杓と同じくらいに知識も識眼も(&興味も)ない刀剣。東博や静嘉堂文庫でもほぼ素通りしてきたが、いつまでもそれではいかんと一念発起。これもまた「サントリー美術館会館60周年記念展」ということなら、これまでの一連の展覧会のように、初心者でも楽しく見せてくれるだろうと、もともとが勉強嫌いときているから予習もせずに参戦。

ところがそれが大失敗。地錵(じにえ)、砂流し、湯走り、、、専門用語の解説なく、鑑賞ポイントの解説。わ、わからない…。
なるほど、膝丸、骨喰藤四郎、義元(宗三)左文字、秋田藤四郎の4振りが展示されることを記念し「刀剣乱舞ー0N LINE」が本展とコラボしているから、会場には刀剣女子がちらほら来館していた。彼女たちはよく調べていて本当に詳しいものね。
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今回はサントリー美術館所蔵品は多くなく、撮影は全面不可。京都中心に上方の社寺に伝来する名刀とそれと関連する絵巻や屏風などを展示。マイミクさんが所蔵先を見るたびに「〇〇さんのやわ」と、神社やお寺の名前を呼ぶ。泉涌寺、仁和寺、鞍馬寺、建勲神社や豊国神社…京都人にとって社寺は身近で、さんづけでいうのは、いつ聞いてもいいものだなぁ。祇園祭礼図屏風では山鉾の説明をしてもらったり楽しめた。

展示自体は、前後期の展示替え、場面替えが結構多いので要注意。予約は不要だが、ひょっとしたら土日は結構混むかも?3日に講演会視聴の予定。
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https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2021_3/
我が国では、刀工の優れた工芸技術と武家の美意識を背景として、古代、中世以降、様々な名刀が生み出されてきました。近年、日本美術に対する関心が高まる中で、とくに刀剣は注目を集める分野と言えましょう。
サントリー美術館は、1961年の開館以来「生活の中の美」を基本理念として活動を重ね、本年秋に60周年を迎えます。日本の絵画工芸をみると、大名家の姫君の婚礼調度から民衆が使用した日常の飲食器、文房具に至るまで、身分階層を問わず、それぞれの暮らしの中で洗練された機能と美しさが息づいています。当館が開催してきた展覧会においても、歴史に名を連ねる武将に関連する美術や史料を多数展示してきましたが、刀剣や甲冑武具こそは、言うまでもなく武家の人生や暮らしにおいて大切にされた根幹を成すものであったと言えます。
この展覧会では、京都や近畿を中心に、由緒正しい神社や崇敬を集めてきた寺院に奉納され、伝来した貴重な刀剣を一堂に集め展示します。それぞれの刀剣には、所持した武将とその英雄譚、鍛え上げた刀工、守り伝えた人々などについて、様々な伝承が大切に受け継がれてきました。
サントリー美術館が所蔵する狩野元信筆「酒伝童子絵巻」においては、武勇で名高い源頼光が率いる渡辺綱などの四天王が活躍します。今回の展示では、これらの刀剣にまつわる伝説についても、絵画や史料も加えてその意義を深く掘り下げます。さらに、臨場感あふれる主要な合戦絵巻や屛風によって戦に赴く武家のいでたちをご覧いただくとともに、調馬や武術の鍛錬など、日々の暮らしぶりなどにも着目し、武家風俗を描く絵画や史料を展示します。
この展覧会が、古代から中世、近世と続く我が国の歴史において、多くの人々を魅了してきた刀剣文化の奥深さや、武家の心に培われた凛々しい美意識を振り返る機会となれば幸いです。

絵画に見るもののふの姿
祈りを託された剣と刀 古社寺伝来の刀剣
武将が愛した名刀 武士と刀剣
もののふの装いと出で立ち 甲冑武具と刀装具
祭礼と刀剣 祇園祭礼図を中心に
躍動するもののふのイメージ 物語絵と武者絵
絵画に見るもののふの暮らし 武家風俗画の世界

少しだけご紹介

画・飛騨守惟久《後三年合戦絵巻》
合戦図は躍動感があって面白い。首が刎ね飛ばされるなどかなり残虐なシーンが多いのだけれど、カラッと描く。画像検索していたら、これが出てきた。馬の疾走に鳥も飛び立つ、うまいなぁ。
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《橋合戦図屏風》林原美術館蔵
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平家物語の橋合戦、浮世絵で見た記憶はあるのだが。一来法師が筒井浄妙明秀の頭に片手をついて飛び越えているシーン。空中で逆立ちになった瞬間を描いている。足元は横板が取りはずされて、浪々と流れる川が丸見え、落ちたら大変。まるで雑技、なんとアクロバティックな。
こういう感じ→フォト
合戦図屏風などは、群衆の中からハイライトを見つけなくちゃならんから、予習が必要だなぁ。
このあと第2展示室で《日吉山王祇園祭礼図屏風》を見たのだが、その中からマイミクさんに「浄妙山」が描かれているのを教えてもらう。このアクロバットシーン、山鉾にもなっていたんですね!こんな見どころポイントがあったなんて〜

《平家物語図扇面(手鑑「尾陽」所収)》徳川美術館蔵
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平家物語からの場面を全部で60の扇面に描いてあって、前後期で展示替え。これが小さく、精緻なやまと絵風で美しかった。
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また林原美術館蔵《平家物語絵巻》は全36巻705場面もあるという。
平家物語に詳しいマイミクさんがいるので、どんなシーンか解説して欲しい。これに身惚れていると時間がなくなる。

剣で印象深かったのが、高山寺の三鈷柄剣。小さな剣だけれど、柄が三鈷になっている。明恵上人が所持したとあって、ついこの間「鳥獣戯画展」でみた明恵上人像を思い出す。

もう一つはは石清水八幡宮所蔵のクリス。インドネシアの雨乞いの修法に用いられたのではないかと。剣先が蛇行して不思議な形。柄に残る金の模様も截金に似て美しかった。どういう経緯で石清水八幡宮に伝わるのかな。

《太刀 銘□忠(名物膝丸・薄緑)》大覚寺所蔵
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《刀 金象嵌銘 永禄三年五月十九日義元討捕刻彼持刀/尾田尾張守信長(名物義元左文字)》建勲神社
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《薙刀直シ刀 無銘(名物骨喰藤四郎)》豊国神社
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本展の目玉はやはりこれらだろう。
《膝丸》は、平家物語に登場、試し切りとして罪人の首を斬ったところ、膝のあたりまで斬り下げたので膝丸と名付けられたという。その後この太刀を受けた義経は、熊野から春の山々を分けてきたことから、これを《薄緑》と命名したそうな。

《膝丸》命名の由来も面白いが、《骨喰(こつばみ)》という銘も面白い、斬る真似をしただけで、骨まで砕いてしまいそうなほど鋭いことから、とのこと。こわっ。

《膝丸》も《骨喰》もよく切れる名刀ということから名付けられたわけだが、こうした銘、つまりニックネームは茶道具にも多々あって、古のもののふのネーミングセンスはなかなかだなぁ。

《骨喰》は戦国時代には、松永久秀から買い取った大友宗麟が豊臣秀吉に献上、大坂夏の陣で徳川家康の手に渡ったが、明治維新後豊国神社に奉納。
一方《名物義元左文字》は、織田信長が桶狭間の戦いで今川義元から奪った刀。その後、秀吉、家康の手に渡り、今は建勲神社に奉納されている。この建勲神社の御祭神は信長公だとマイミクさんから聞く。

建勲神社の《義元左文字》と豊国神社の《骨喰》が並ぶのは刀剣マニアでなくとも興味深い。(刀剣の見方はさっぱりわからないけれどww)



《豊臣棄丸所用小形武具》
もののふの必需品として甲冑の展示もあったがそのなかでひときわ小さな武具は、秀吉が棄丸のために作らせたもの。赤ちゃんが着るサイズで、大人用と寸分たがわぬつくりだ。我が子の成長を願って作ったのだろう…

吹き抜けの階段を降りた展示室はいつも演出が凝っているが、今回は祇園祭の提灯と長刀鉾をイメージ。
サントリー美術館所蔵《酒呑童子絵巻》は、討ち取った鬼の首が頼光の兜に食らいつくシーンは残念ながら後期。
多賀大社の《調馬・厩図屏風》も同じく残念ながら後期だが、そのかわり東博の《厩図屏風》の展示あり
馬の代わりにバイクになっている山口晃の現代の厩図が好きだ。

10月31日まで

このあと汐留に移動して、もう一人マイミクさんと合流。42階の高層レストランでローストビーフとハンバーグのがっつりランチ。ローストビーフの下にハンバーグが隠れています。ご馳走になりました♪
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