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2021年07月11日06:37

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名画『カサブランカ』を観る:ナチ・ドイツ支配を逃れ自由を求めて北アフリカのモロッコに集まる難民たちの中に咲いた花

 第二次世界大戦の最中、ヨーロッパを制圧したナチ・ドイツの圧政から自由を求めた多くの難民が、一時、北アフリカ、モロッコの首都カサブランカに集まり、ここからビザを求めて新大陸アメリカに脱出しようと狙っていた。
 彼らは、フランスのマルセイユから海路でアルジェリアの港湾都市オランに渡り、陸路でカサブランカに来て、ここから中立国ポルトガルのリスボンに渡って、アメリカに脱出しようとしていた。
 
◎ハンフリー・ボガート演じるニヒルなカフェ店主リック
 NHK−BSプレミアムが放映する古い名画を時々録画して観る。
 先日は、僕の青春時代の心を揺さぶった懐かしい名画『カサブランカ』を放映していた。
 時はナチ・ドイツが西部戦線ではパリを制圧し、東部ではヨーロッパソ連を広く占領している1941年12月だった。回想場面を除いて、ほぼ全編の舞台となるのが、「リックのカフェ・アメリカン」である。
 経営するのは、かつて理想に燃えてエチオピア紛争やスペイン内戦に参加したハンフリー・ボガートの演じるリック・ブレインである。しかしカサブランカでは、金儲けにだけ熱を上げるニヒルな人柄に変わっていた。

◎陥落前夜のパリで別れた恋人のイルザ
 彼は、ドイツ軍がパリ入城の直前まで愛し合っていたオスロ生まれの美貌のイルザ・ラント(演じるはイングリッド・バーグマン!)が、夫ヴィクトル・ラズロと共に突然、自分の店に姿を現したことに驚愕する。
 イルザは、パリ陥落の前に、共に脱出するために雨中の駅で待つリックを袖にしていたのだ。
 彼女は、他の難民と共に、ナチ・ドイツのお尋ね者の夫のラズロと一緒にアメリカに渡るための親ドイツのヴィシー政権発行の通行証を求めていた。当てにしていた闇の周旋屋は、警察に射殺されていた。その闇の周旋屋は、射殺される前になんとリックに通行証を預けていた。それを、イルザは察知し、通行証の譲渡を夫と共に懇願するが、リックは冷たく「ノー」と言う。

◎溢れるまでの美貌のイングリッド・バーグマンに魅了
 イルザとラズロは通行証を求めて八方かけずり回るが、美貌のイルザの身と引き替えに融通しようという悪徳カフェ経営者とヴィシー政権の現地警察のルノー署長の申し出を断り、万策尽きて、再度、リックを訪ねる。
 そこで、夫のために精一杯の愛の演技で通行証を入手できることになったが、その代わりイルザは自分だけ残ってリックと行動を共にすることを約束する(写真=リックとイルザ)。それがイルザの演技と知りつつ、夫への献身的な申し出に心を動かされたリックは、かつての理想を取り戻し、2人を空港から飛行機でリスボンに脱出させる手筈を整える。
 事態を察知して空港に駆けつけたナチ・ドイツ空軍のシュトラッサー少佐を、リックは射殺し、それに協力したルノー所長と共にカサブランカの霧に消える。
 撮影当時、27歳だったイングリッド・バーグマンの溢れるまでの美貌と全体主義ナチズム対自由と民主主義の激突する国際政治に、かつて場末の再上映館で『カサブランカ』に感銘を受けた。

◎モロッコには行ったが
 そのずっと後の7年前、舞台になったモロッコの首都カサブランカ(写真)にちょっとだけ訪ねられた。この時は首都カサブランカは通過点であり、僕らはフェズやマラケシュ、ラバト、さらにアトラス山脈を越えてサハラ砂漠に向かったので、映画の舞台になったカスバは見られなかったのは何とも残念だった。
 もっとも後で知ってガッカリしたのだが、映画は1シーンすらカサブランカで撮られなかったという。カスバも、リックのカフェもすべてハリウッドのセットだったのだそうだ。
 風雲急な当時(第二次世界大戦にアメリカが参戦した1942年制作)なら、モロッコ・ロケなどとうていできなかったのだろう。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202107110000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「アメリカが香港と直結する海底ケーブル計画に完成直前に反対:『一国一制度』化に伴い情報安保に不安」https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976267053&owner_id=1833966

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