ジェイムズ・バイロン・ハギンズ
目についたので再読。内容は生物兵器とすべくコモドオオトカゲを遺伝子操作したら火を吐く怪獣になって制御できなくなりましたというB級怪獣アクション映画。03年に読んだときはなんでこんなものわざわざ翻訳したんだろと疑問だった。それじゃゴジラの劣化コピーだろうと。
着眼すべきはそこではなく、本作が宗教SFであることだった。旧約聖書に登場する絶対悪の名前を持つ怪獣に、絶対善である北欧のトール神の名を持つ人間が立ち向かう。本作のテーマは善と悪の最終決戦だったのだ。そこにアメリカ人の大好きなミリタリーアクションと家族愛を加えたと。あとがき解説によれば本作はかの地の宗教クラスタで人気がブレイクしたとのこと。そういうキワモノSFと評価すべきだったのだ。例えるなら日本の新興宗教が作ったアニメ映画に米国のプロダクションが目をつけ全米公開、みたいなものか。それならちょっと興味をそそる。
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