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2021年01月19日11:32

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「フランケンシュタインの誘惑」「満勉」「100分de名著萩尾望都」

「フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿」「ナチスとアスペルガーの子どもたち」
オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーは自閉症の子供に特別な子供達を見つけ研究する。ナチスの政権下で彼は子供達を選別するのだが。見初めと終わりで印象が変わる。ゲストはリモート含め3人。初っ端からメイドインアビスのBGMが流れたのでボンドルドみたいなサイコパス博士かと。しかし戦後は自閉症研究は止めナチス下での研究も出さず。死後に研究者により論文が発見され脚光を浴びそれに加えてナチス下の過去も知られることにという順番。自閉症の子供達に本をよく読んでいた博士。サイコパスなのか普通の人だったのか。子供達を選別せねばならない「ソフィの選択」やアイヒマンをただの小役人と分析した「ハンナ・アーレント」を思い出す視聴感。思考停止し想像をやめると普通の人も残虐になり得る

「満勉」西炯子さん回
貴重な顔出し。職人さんの趣。筆のような持ちかたで主線を軽く描き。気持ちはツヤベタとカケあみと瞳の描き込みに込める。頁の装飾に工夫。少女漫画はコマの外に気持ちを描く。カラーはカラーインクで影から淡く重ね、肌自体塗らず影のみ。少女漫画の定義は恋愛が成就するまで。その後は女性漫画となり別のジャンルになると。大きく欠けている人が満たされるまでの話が少女漫画と。初期に描かれてたソフトBL漫画も孤独な少年の話だったけど、今は少女漫画でそのテーマを描かれてるようで。11月末発売ののメロディに「漫勉」で描いていた西炯子さんの漫画が載ってるね。あんな風に描いていたのかと思うと感慨深い。

「漫勉」惣領冬実先生回
西炯子先生に続き今回も貴重。ラフなくいきなり下書きでかつ丁寧。昔からミリペンで太さと使い込みカスレで使い分け。線を引くのではなく少しずつ重ねて細密に作る。消しゴムかけて線にグラデーションにすると巻き毛や服の皺に点々が入る。構図やカメラワークのアングルは小津安二郎とヴィスコンティを参考。少女漫画離れしたサスペンス要素が強い話。望月三起也が数少ないルーツ。少年漫画のバトルと少女漫画の恋愛は同じで違いは少女漫画は防衛戦。欠落を埋めるのが恋愛西炯子さんの恋愛観だったら真逆で面白い。浦沢直樹先生の描かれたミリペン絵のヨハンが貴重。吹き出しは外国語が入れやすい少し横長楕円。そのほか、瞳の虹彩を描くのに円を意識したアタリを入れたり、まつげの根元にダマリを描いて睫毛を描くと色気が出たり。次回は坂本眞一先生。同じく海外舞台の細密漫画でもデジタルを駆使した制作で真逆タイプ。楽しみ。
惣領冬実先生の「MARS」のドラマは悪役を演じてた窪田正孝くんがすごく良かった。悪いだけでなく妖しさを纏うというか。ドラマ版デスノートの夜神月も良かった。

「100分de名著萩尾望都」
夢枕獏さん、ヤマザキマリさんら萩尾望都さんらゲスト達による、思い入れたっぷりの深読みがすごくいい。トーマの心臓、半神、イグアナの娘、バルバラ異界、ポーの一族が取り上げられた。特にポーの一族再開にとても嬉しそうな夢枕さんが微笑ましい。萩尾先生のインタビューもあって貴重。インタビューで「女の子を描くと全ての行動が誘惑になるが、男の子だとそういうことから自由になれた」そうで。
14歳なのも大事な要素。11人いる!やA-A'みたく性別未分化のキャラも多い。逆にというかマージナルみたく男だけの社会の話もある。「残酷な髪が支配する」は女の子主人公だったら可哀そうでとても描けなかったそう。男の子に設定したからこそ自由に描けた作品だそう。逆に女の子主人公はあえて不自な枠にはめて描く方を選んだということね。描きたいテーマによってかき分けできるともいえる。女性だと女性である以上リアルな話。男の子なら抽象化した話、テーマを先鋭化した寓話的な話が描ける。もちろん作家によりけりで。女の子でも男の子でも主人公の性別に縛られず等しく描ける作家なら必要ないことだけど。女の子主人公にした方が売れるからという理由で変えても話に響くことはない。「映像研に手を出すな」もその理由で女の子主人公で本来男の子でいい。「けいおん」にたく女子だけでも自由になる方法もある。BLはどうしても性別に囚われてしまうけど自由になりたい作家への翼といえる。読む方は置き換えて読んでもいいけど、描く方は置き換えられないもの。

「名曲アルバム+」
パッヘルベルのカノン、14のカノン。ピタゴラスイッチのような名曲の映像化が面白い。制作は大西景太さん。他にもベートーベン「月光」× 外山光男、ロッシーニ「ウィリアム・テル」序曲 × AC部もあったけど、娘が見入ってしまい宿題ができないというので後で。

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