今読んでいる,というか,見ている本。
武満徹"Visions in Time"
作曲家であるとともに優れた文筆家である彼の音楽,文学両面の創作に影響を与えた絵画や書籍,彫刻などの図録と,それにちなんだ彼の美しい言葉。そして彼が創作活動を行った信州の自宅付近の景色からなるアートブック。
この本の装幀自体も,とても美しいものだ。
こういう本には,カバーをかけたくない。
こういう本は,電子データで読みたくない。
手に持って,そのアートワークの質量:質と量を感じていたい。
「人間は、眼と耳とがほぼ同じ位置にあります。これは決して偶然ではなく、神というものがあるとすれば、神がそのように作ったのです。
音を聴くときーたぶん私は視覚的な人間だからでしょうがー視覚がいつも伴ってきます。
そしてまた、眼で見た場合、それが聴覚に作用する。
しかもそれは別々のことではなく、互いに相乗してイマジネーションを活力あるものにしていると思うのです」
「非生産的な『夢』を生産することの逆説は,厳しくまた貴いものである」
〜彼の言葉より
私は武満の本を読んでいる。
そして彼の言葉と音楽が,私を呼んでいる。
ログインしてコメントを確認・投稿する