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2020年08月23日20:16

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妖怪_その2

妖怪に関する本は
内容はほとんど忘れているため読み返してみると大変面白かった。
題名は「妖怪学入門」という本で著者は阿部主計となっている。発行は昭和43年となっているので今から50年以上前の本だ。
ハードカバーのかなり立派な研究書で写真などもたくさん入っている。
そのころなぜこんな本を買ったのか全く記憶にない。

かいつまんで内容を説明すると
第一章 日本的怪物の原型
”おばけ”に関する考察で、おばけには大別すると”幽霊””妖怪””変化(へんげ)”の3種類になる。
さまざまなおばけの時代背景や日本人の精神的背景、宗教的背景などを説明してある。

おもしろいのは”ばけもの”に”お”の敬称が付くと全く雰囲気が変わってしまう。
さらにおばけの範疇に入るかどうかはわからないが、”たたり”というのがある。幽霊、妖怪、変化が目で見える(見えない人もいるが)のに対し”たたり”は見えない力を及ぼす。

第二章 王朝時代の怨霊たち
 大昔から日本では”怨霊”が出ている。日本で一番有名な怨霊は菅原道真で、九州へ左遷され失意のうちに無くなった道真のたたりで京都にたくさんの雷が落ち、御所が焼け、時の左大臣など次々に要人たちが死んだ。火災や疫病が流行ったりしたので道真の怨霊を鎮めるため北野天満宮が建てられ太政大臣まで追贈された。いまでは全国に多くの天満宮が建てられ、道真は学問の神様として祀られている。
 だいたい神社仏閣は不遇のうちに死んだ人の魂を鎮めるために建てられたものが多い。神田明神は平将門の怨霊を鎮めるためだと言われているひとつである。
 法隆寺は聖徳太子の怨念を鎮めるためという説もある。

 *聖徳太子には面白い話がいろいろあるのでいずれ書いてみたい。
  
 昔は理解できないようなことが起きると妖怪のせいにしていた。特に夜は暗く襲われたりすると”何々妖怪が出た”という話になる。
 そんななかで天狗やカッパ、鬼などが出てきた。
カッパは人をおぼれさせたりいろいろないたずらをすることで全国的に知られている。
伝説としてはいたずらをして腕を切られて、腕を返してくれるよう頼みに行って謝って返してもらうときお礼に傷薬の製法などを教えた。というような伝説が全国にあるらしい。
*この話を書いた次の日の新日本風土記(熊野灘)で似たような伝説の話があった。ある旧家のしきたりとして”息子の酒”というのがあり、近所で子供が生まれるとその旧家の養子となる儀式があり旧家の当主と生まれた赤ん坊が酒を酌み交わすとうのを番組でやっていた。(赤ん坊は当然酒を飲めないので口元に杯をもっていくだけだが)昔当主の先祖がいたずらするカッパの腕を切り落としたところそのカッパが腕を返してもらうよう謝りにきて”これからあなたの子供には決していたずらをしません、おぼれさせたりもしません”といったので近所で生まれた子供は皆養子にして守った、といういいつたえがあるそうだ。

続く

写真は「妖怪学入門」のハードカバー


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