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2020年07月23日21:00

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宝石と石ころ

宝石と石ころ


むかし商人は
宝石を宝石だと言って高値で売っていた
そのおかげもあってむかしのひとは
ほんものとは何なのか
知ることができたと祖父は言った

そのうち世の中が変わり　価値観も変わった
物価が安くなり
ひとびとは安いものしか買わなくなった
商人はただの石ころを磨き
宝石だと称して売ったと　父が言った
宝石だが格安品だと偽って

そのうちまた　世の中が変わり
価値観も変わった
詐欺行為が大手を振ってまかり通り
ひとびとは何も信じなくなった
宝石を見ても　どうせ石ころだろうといって
相手にしない
かれらには宝石も石ころも
同じものなのだと　俺は思った

いまでは宝石が道ばたで石ころと一緒に売られている
値段も同じ
この世にほんものなどない　みんな贋物だ
そう思っているひとびとばかりで今の世の中は出来ている
金で何でも買えるがほんものは手に入らない　誰ひとり
昨日　宝だったものが　今日は　石ころと化している
また　昨日石ころだったものが　今日は�猜��瓩箸靴毒笋蕕譴�
そんな現実が　日常茶飯事なのだ
今では信頼すら詐欺師の飯の種にされ
嘲笑にさらされている　これでいいのか。

指田悠志
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