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2020年05月25日01:56

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T-34 レジェンド・オブ・ウォー

『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』
<ストーリー>
 第二次世界大戦の独ソ戦末期、捕虜となった戦車士官イヴシュキンは収容所でかつて闘ったナチスの将校イェガーから士官候補生の演習のために捕獲したソ連の戦車T-34で模擬戦闘を命じられる。ただ候補生は実弾を使い、イヴシュキン達は実弾ゼロ。これを引き受けたイヴシュキンにはある計略があった・・・
<コメント>
 僕はオタクだけれどもミリタリーにはそれほど詳しくなくて戦車も格好いいとは思うけれども、どれが何というどこの国の戦車かまでは判らない。戦車同士が闘ったら重モビルスーツ戦みたいで面白いのだろうけれども、戦車と言うのはあくまでも歩兵とセットであり、歩兵なしで戦車だけが戦闘するというのは『ガールズ&パンツァー』のような特殊な世界観でなければ存在はしないだろうなあとは思っていた。
 しかし、どこでも頭の良い脚本家はいるもので、モデルとなった実話を拡大解釈してゲームかアニメでしか存在しないような純粋戦車ムービーを作り出してしまった。
 まず、冒頭のソ連軍戦車1台対イェーガー率いるドイツ軍中隊の戦いに度肝を抜かれる。ほとんど援護なしで作戦と戦車の機能性だけで中隊を全滅させるイヴシュキンの指揮能力の高さ。そして村一個潰しての戦車戦の重厚な迫力。
 そして場面は変わって4年後のドイツ軍捕虜収容所。氏名階級を決して言わず、ドイツ軍からは処刑のトップリストにあるイヴシュキンを見つけたイェーガーが彼に圧倒的に不利な交渉で戦車戦を挑むところからイヴシュキンがこれを受けるあたりまではいわゆるタメの部分。この部分でイヴシュキンやイェーガーの人間的な魅力をきっちり描くからこそ、この後の二人の絡みが盛り上がってくる。とにかくイェーガーは自分の誇り(と顔面)を傷つけたイヴシュキンが憎いけれども、へこましてやりたくて仕方がないのだな。
 タメにタメたあとで開始される実は実弾を隠し持ったT-34の反撃と逃走。ガソリンスタンドを襲い、小さな村で食糧補給しながらひたすらチェコに向かって逃走を続けるT-34。何が凄いってこの逃走するT-34と幹線道路を封鎖するドイツ軍の戦闘部隊などがドローン撮影と思われる俯瞰で描かれるのだが、これがワンショットなのだ。どんだけ金があるんだ、ソ連の映画会社は。
 そしてイェーガーが待ち構える村の中に踏み込んだT-34は遂に数台の戦車と対決するのだが、この迫力がとにかく凄いとしか言いようがない。しかも、戦車は実物大のものを用意しながらも要所要所でVFXを放り込んできて、特に発車された砲弾がゆっくりと向かっていく様などは「今だからこそ」のものだろう。
 そしてまさにクライマックスは本来ありえないはずの戦車同士の1対1の対決。中盤からは興奮のしっぱなしだった。
 今回IMAXシアターで鑑賞したのだけれども、これがまた最高。戦車の動きと連動した重低音の響きと砲弾が炸裂する音響の凄まじさ、巨大な画面のうえで進撃する戦車は泣くほど格好いい。
 IMAXや4DXは「こんなの必要か?」と思うことが度々あるけれども、少なくとも戦車映画に限ってはものすごく効果的に働くことがよく判った。

T-34 レジェンド・オブ・ウォー
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