映画「スターウォーズ　EP9 スカイウォーカーの夜明け」

開始ぎりぎりに着席した左隣の女性が酒臭かった。楽しみにしすぎて前夜、はしゃいで
しまったのだろう。少しざわついていた場内は、ルーカスフィルムのロゴが映し出されると
一瞬で物音が止んだ。よく訓練されている。
SWは血筋の物語である。其の意味ではF.S.Sと似た構図があり、年末に連続して
やってきたのは有り難い。
関心のひとつはレイアの扱いである。EP8やブレードランナー2049（こちらにも
ハリソン・フォードが出演している）でCG出演の実績があり、この作品でも採用されている
ようだ。シーンによってはライブラリ出演に見える箇所もあるが。因みに若い頃のルークと
レイアのシーンもあって完璧なCGだった。これは怖い技術でもある。進化し過ぎて、デジタルな
証拠を何一つ信用できなくなる。
暗く彩られたカイロ・レンの生涯が終わった。偶然だが最近ハードローテーションしている
ReoNaの「forget me not」の詞に重なるところもあり、寧ろ彼のほうが主役だったのでは
ないかと錯覚も。尤も彼の骸の上に咲いたのは小さな花ではなく、スカイウォーカーの
大輪の花であったが。今際の際に行った生命力の分配はジェダイの奥義なので違和感を
持ったりもした。だが、そういえば闇落ちの以前に修行していたことを思い出した。この
ライフの移動は幻影を使って行われ、ルーク最後の戦闘に於いて現れたジェダイの
技でもある。あれを見せられた後、自らも修行して会得したのだろう。
さて、邪推については大きく外れた。ハン・ソロの死亡は、通常なら絶望的な落下として
表現されてはいたが死体が確認された訳ではない。ラストの重要なシーンで驚きの
再登場がある、と殆ど確信に近いものがあった。が、シナリオは其のルートを選ばず、
ルーク、レイア、ハン・ソロは世を去った。彼らの代わりに戦ったのはランドで、この部分だけは
若本規夫の声で聞きたかった。若本版の確認の為、後日吹き替えを観に行くべきか。
蛇足ながら上映回数は吹き替え版のほうが多く、需要は完全に吹き替えである。