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2019年10月18日22:22

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「“樹木希林”を生きる」

2018年9月にNHKスペシャルで放送された同名のドキュメンタリーの再編集ではあるが、NHKスペシャルでは放送されなかったシーンをメインに構成された作品であった。

NHKのディレクター木寺一孝は、長崎放送局時代に局制作のドラマで樹木希林と知り合った。
その後、ドキュメンタリーを撮りたいと樹木希林にコンタクト、ちょうど1年で4本の映画出演が決まっていたため、樹木希林は密着取材を受け入れた。
条件は、木寺が一人でカメラを持って取材する事。
何人ものスタッフに同行されると、撮影の現場にも迷惑が掛かる可能性があるためだ。

最初の現場は、2017年初夏の「モリのいる場所」だった。
次が、夏の「万引き家族」。
そして秋に「日日是好日」への撮影と続く。
この間、夫婦間が上手く行っていない木寺は、樹木希林に少々厳しいアドバイスを受けたりもする。
しかし樹木希林は、次第にこの密着取材にいら立ちはじめる。
木寺が撮影現場を取材しても何かが起きるわけではなく、これで番組ができるのかと疑問を持ち始めたからだ。
冬に再度「万引き家族」の撮影が始まるが、ここで樹木希林は木寺に、この密着取材の意味を再度問うことにした。

木寺が答えを見つけられずにいると、春に樹木希林から連絡が入る。
ガンのPET検査が思わしくなく、医者からも余命がほとんどないと告げられたのだ。
樹木希林は木寺を家にあげ、最後をどう迎えるか、看護師たちとの打ち合わせを取材させる。

誰にでも常に厳しく、そして優しい樹木希林の最後の1年間を切り取った作品である。
ドキュメンタリーなので脚本があるわけではないが、このドキュメンタリーをほぼ撮影し終えた直後、樹木希林は逝去する。
奇しくも樹木希林が望んだ、密着取材のテーマとなったのだ。

NHKスペシャルの時と異なり、「モリのいる場所」の撮影風景が作品の半分近くを占める。
逆にそれ以外の作品の撮影風景は少なく、親友の浅田美代子のために企画した「エリカ38」、映画作品としての遺作となった「命みじかし、恋せよ乙女」についてはほとんど触れられていなかった。
それでも、人を気遣い、仕事に真剣に挑む、樹木希林の生き方がわかりやすく描かれていた。

個人的には樹木希林は非常に好きな女優だったので、興味深く観ることができた。


127.“樹木希林”を生きる


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