昨日の日記の冒頭で期待感を込めて書いたノーベル生理学・医学賞、日本人の森和俊・京大教授の受賞はならなかった。
アメリカ、イギリスの受賞者3人は、下馬評に登っていなかった科学者らしい。
今日のノーベル物理学賞の発表に期待する。
さてところで、南米にクマがいるんだ、ということを初めて知った。去る9月30日にS−プレミアムで放送されたワイルドライフ『南米アンデス 天空の森を謎のクマが跳ぶ!』で、それを知った。
◎秘境南米の雲霧林に棲むメガネグマ
取り上げられたのは、エクアドルのアンデス奥地の標高3000メートルを超える雲霧林にすむメガネグマだ(写真)。
地元のメガネグマ研究者の協力で、撮影スタッフが山中で子育て、採食、さらには雌雄の交尾まで撮影する。番組の最後は、約1年、母グマに育てられた仔グマが「子別れ」で独り立ちしていくシーンで飾られる。
メガネグマは、顔に白線が入っていて、それが眼鏡をかけたように見えるからだ。英語名も「Spectacled bear」で、「眼鏡をかけたクマ」である。
◎北米から海を渡って来たか?
今は狭いパナマ地峡で南米は北米とつながっているが、そもそも両大陸は成り立ちが違う。南米はゴンドワナ超大陸の一断片であり、ゴンドワナ分裂後にその一断片が北上していって、北米大陸に接近、350万年前頃、ついに連結された。
これにより南北アメリカ大陸間で、動物群が相互に流入していった。
メガネグマも、北米からやってきたグリズリーかアメリカクロクマの子孫なのだろう。
ただクマは、泳ぎがうまい。ホッキョクグマなど数百キロもの氷海を泳ぐことが知られている。日本でもふだんは熊のいない利尻島に2018年にヒグマの足跡が確認され、大騒ぎになったことは記憶に新しい。おそらくそのヒグマは、北海道北部から106年ぶりに泳いで渡ってきた個体であり、その後、再び泳いで北海道に戻ったのだ。
だからパナマ地峡が形成されるという大イベントの有無にかかわらず、クマは南米に移住できたと思われる。
◎樹間を飛び越える身軽さも、開発で生息域の縮減進む
そのメガネグマは、日本のツキノワグマより、一回り大きく、雄では体重100キロを超える。それほどの巨体なのに、メガネグマは木登りがうまく、木に登って食の95%を木の実に頼るという。近くの木なら、軽々と飛び移る。番組のタイトルに「クマが跳ぶ!」となっているのは、それを指している。
撮影されたエクアドルでは、途上国のどこにでも見られるように森林の開発が進み、メガネグマの棲む森の3割が失われてしまっているという。
そのためメガネグマは、餌を求めてアボガド果樹園にもやって来る。農園主たちが、クマ退治をせず、温かく見守っていることが救い、となる。
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