香港政府の強硬姿勢が際立っている。本日の大規模デモ(警察当局は不許可)の機先を制するかのように30日、2014年の「雨傘運動」の元学生団体リーダー、黄之鋒氏(22歳)と民主派女性幹部の周庭氏(22歳)が30日、警察に逮捕された(写真)。
また25日、香港警察は一連の民主化デモで初めて銃を抜き、うち1人の警官は宙に向けて発砲した(写真)。約3か月前から続く民主派のデモに対して、初めての武力威嚇だ。
◎香港警察にスターリニスト中国本土の警官2000人が入り込みか
一連のデモがいっこうに収束の見えないことに苛立ったスターリニスト中国の意向だと思われる。
デモ隊に対しての威嚇にしろ発砲するなど、もはや6.4市民革命(いわゆる「天安門事件)の一歩手前である。またデモ隊に対する暴力行使の様子など、本土スターリニスト中国の警察に似てきている。
在香港のジャン・ピエール・カベスタン教授によると、香港警察の中には2000人規模のスターリニスト中国本土の警官が入り込んでいるという。彼らは、香港に来る前に「人民抑圧軍」にいた可能性もあるという。
スターリニスト中国は、もはや一国二制度などに拘泥せず、明らかに香港に介入してきている。
◎顔認証機能付きの監視カメラで香港を監視
またデモ隊側も、スターリニスト中国式の監視社会化に抵抗するため、香港政府が設置を進める監視カメラ付きの「スマート街灯」をこれまでに20数基、破壊している。
スマート街灯は、スマートシティー構想のためと称して香港政府が5月から導入した50基の一環。3年以内に400基を設置する計画だ。
香港政府の公式の説明は、気象や大気汚染のデータを集めたり、交通状況を把握したりするためというが、デモ隊が街灯を分解すると、スターリニスト中国の街頭で市民を監視する顔認証機能付きのカメラ、「天網」という監視システム(写真=「天網」の街頭監視カメラがついた信号機)と関わりの深いメーカーの部品が見つかった。
すなわち香港市民の動静を監視し(むろんデモ隊も)、スターリニスト中国の監視システムに情報を流している疑いが強い。デモ隊が顔を隠しても、「天網」の優れたシステムでは、素顔を復元できるともいう。
◎キャセイパシフィック航空社内を支配する恐怖
香港のスターリニスト中国化は、企業内にも浸透する。
16日、2万6000人の従業員を抱える航空会社で香港を代表する企業のキャセイパシフィック航空CEOのルパート・ホッグ氏がスターリニスト中国の差し金で辞任させられた。パイロットを含むキャセイの従業員たちがデモに参加したことは「安全上、重大なリスクを抱えている」という難癖をつけ、見せしめの退陣強要である。
ホッグ氏辞任は、キャセイと従業員を守るための強いられたものだった。
スターリニスト中国国有大手銀行の「中国工商銀行」の系列の証券会社である「工商国際」は、顧客向けリポートでキャセイの強力な売り推奨を打ち出し、スターリニスト中国最大の国有コングロマリットである「中信集団」の銀行は、社員や家族にキャセイを使わないように指示を出した。ちなみにこの中信集団と日本の伊藤忠は、合弁会社を作っている。伊藤忠の社員も、出張にキャセイを避けざるを得ない。
もし読者で伊藤忠の株を持っている方は、どうか売ってしまって欲しい。それでなくとも、伊藤忠は強引かつうさんくさいビジネスをしているのだ。
◎進む「1984年」化を食い止めよう
こうした圧力の高まりのうえ、スターリニスト中国政府は、キャセイの従業員たちのスマホを調べ、政府に批判的な内容がないかどうか、チェックも始めた。キャセイ社内は、今、いつ職場を追われるか分からないという恐怖が支配している。
こうして香港の「1984年」(ジョージ・オーウェルの小説)化が進んでいる。
僕たちのできることは少ないが、せめて民主化を求める香港市民に連帯したい。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、
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