2009年製作、2010年公開の韓国映画。韓国版DVDで鑑賞。日本では劇場未公開だが、DVDのみ発売(三宮の中古ショップで日本語版DVDが売られていました)。
この映画のタイトルだけは前から知っていた。ソン・ユナがソル・ギョングとの結婚後に最初に出演を決めた映画。新婚の彼女にふさわしいタイトルだけど、中身は恋愛や結婚ではなく、シングルマザーと一人娘の絆を描いた人情もの。
ゴウン(ソン・ユナ)は、ミジャ(キム・ヨジン)が社長を務めるブライダル会社で働くウェディングドレスのデザイナー。夫とは死別し、娘のソラ(キム・ヒャンギ)を一人で育てている。しかし、仕事が忙しく、料理も得意ではないので、母娘は朝夕の食事をゴウンの兄夫婦の家でとることが多かった。ソラはバレエを習っていたが最近はサボり気味で、バレエ教室の隣でチフン(イ・ギウ)が開くテコンドー道場に潜り込んでいた。
このメインキャストがわかった時点で、「わあ〜、なんという配役!」と思った。社長役のキム・ヨジンは、「ペパーミント・キャンディ」でソル・ギョングの妻役だったし、イ・ギウは、これまたソル・ギョングとソン・ユナの共演作「愛を逃す」で、ソン・ユナに思いを寄せる田舎の青年役。そして、子役のキム・ヒャンギは、同じ年に公開された「トラブルシューター 解決士」で、ソル・ギョングの娘役を演じている。撮影中、ソン・ユナはキム・ヨジンに「ユナちゃん、ギョングオッパはひどい夫だったんだよ〜」なんてからかわれたりしなかったかな?なんてしょうもないことを夢想したりして。
ある日、ゴウンが倒れ、運ばれた病院で末期の胃ガンであることを知らされる。ゴウンは、自分の死期が近いことをソラには知らせず、親としてできる限りの思い出を残してやろうと、孤軍奮闘するが、やがてソラも母の病気を知ってしまう。
ソラは潔癖性で他人が触れた食べ物は食べられず、そのせいで友人ジニと仲違いし、クラスでも孤立していた。また、ジニのいるバレエの教室も行けなくなっていた。しかし、余命の短い母の願いを叶えようと、ジニと仲直りし、バレエの教室にも戻る。ただ、長いブランクがあってついていけない。そこで、テコンドー道場のチフンがバレエの先生に頼み、道場の空いている時間にバレエの個人指導をしてもらうようにした。そのおかげで、ソラはバレエの発表会に出ることができ、脳に転移した腫瘍のせいで視力の落ちたゴウンもなんとか娘の晴れ姿を見ることができた。ソラがラジオ局に送った母への手紙を病院のベッドで聞きながら、ゴウンは息をひきとる。翌朝、回診に来た医師たちに「オンマは疲れて寝ているだけなの、来ないで、オンマを連れて行かないで」と泣いて部屋に入るのを止めようとする。
それから10数年後、成長したソラは、母の手がけたウェディングドレスを身につける。
それにしても、この間見たキム・ヘス主演の「最後の約束」といい、難病で母が子どもを残して死んでしまうという悲しい話、韓国映画の定番中の定番のようだ。
この映画を撮ったクォン・ヒョンジン監督の第1作は「私のちいさなピアニスト」だと知って、あの映画も、家庭に恵まれない少年と、ピアニストの夢を諦めたピアノ教師の交流を描いた泣かせるお話だったなあと思い出した。
映画の中では、当然、ウェディングドレスが重要なキーアイテムとなる。ゴウンがデザイン画を描いたり、レースやビーズを散りばめたドレスを作ったりするシーン、彼女のデザインしたドレスを着た新婦の挙式シーンなど。中でも印象的だったのは、ウェディングドレスを着たゴウンと、タキシード姿で新郎にふんしたソラがダンスをするという空想的な場面で、全体として悲しいトーンの物語の中で明るく微笑ましいシーンだった。
イ・ギウはもっとメインのストーリーに絡む役かと思ったら(今度こそ、ソン・ユナに愛を告白するとか)、ちょっと離れたところからソラを見守って何かと助けてくれるいいお兄さん、というだけの役で、ちょっともったいない気がした。
それにしても、撮影当時9歳のキム・ヒャンギの素晴らしい演技に引き込まれる。幼い顔立ちだった彼女も、今や19歳。私は見逃したけど、話題の大作「神と共に」でもメインキャストだし、もうすぐ日本で公開される「証人」でも、ものすごく難しい役に挑戦して見事にこなしている。
写真は左から、ウエディングドレスを作っているソン・ユナ。本当に美しい。
主演のキム・ヒャンギといいお兄さん、イ・ギウ。
ソン・ユナとキム・ヒャンギの可愛らしいダンスシーン。
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