mixiユーザー(id:1833966)

2019年08月14日05:33

79 view

ネズミ4題(その2):テンジクネズミ、モルモットの偉業と奇跡

 薬学生時代、動物実験で、マウス、ラット、そしてウサギをよく使った。僕の所属した生化学系教室では、実験動物を飼育するための空調入りの部屋まであった。

◎南米原産のモルモットは食用として飼育された
 実験動物と言うと、代名詞にもなっている「モルモット」がいるが、僕の教室ではなぜかモルモットを使っていなかった。だからモルモットは、良く知らない。
 しかし知人がペットとしてモルモットを飼っていたから、割と身近な動物という感じもある(写真)。
 モルモットは、テンジクネズミ(天竺鼠)ともいう。南米原産の齧歯類で、齧歯類だから増える。そのため古代ペルーでは、庶民も含めて飼育されていた。ペットとして、ではない。食用である。

◎今もペルーでは各家庭で飼育される
 食用としてモルモットは、現代ペルーでも家庭レベルで広く飼育されている。
 6年前、ペルーを中心に南米を旅行した際、バスの車窓から家庭飼育用のモルモットの食草を街角の店で売っているのを観たことがある。ただし家庭で飼育されているモルモットを観る機会は無かった。またその料理も、目にしなかった(写真=モルモットの照り焼き。ペルー料理である)。
 新大陸古代社会の特徴だが、北米・南米を含めて食用になった家畜動物は、ほとんどいない。西南アメリカの先史インディアンに飼育されていたシチメンチョウは、食用ではなく、彼らが装飾用に用いた羽を採るためであった(写真)。

◎インディアンからもらったシチメンチョウで飢えをしのいだ
 開拓時代、西部に進出した白人は、食料難の折、先住民(インディアン)からシチメンチョウをもらい、それで飢えをしのぎ、白人文化の中にクリスマスに感謝の1つとしてシチメンチョウを食べる習慣が広まった。
 南米では、リャマ(写真=マチュピチュの段々畑跡で放し飼いされているリャマ)、アルパカのラクダの仲間が家畜化されたが、これらも肉を食べるのではなく、使役用と毛を採るため、だった。

◎アステカなど新大陸古代文明で獣肉は貴重だった
 だからモルモットは、アメリカ大陸の事実上、唯一の食用家畜なのであった。そのためモルモットがいなかったメソアメリカでは、アステカ帝国時代を含めて家畜の肉を食べることはできず、手に入ったのは野生動物の肉と魚だけで、獣肉は極めて貴重だったのだ。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/201908140000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「樺太紀行(13);サハリンのバスが韓国起亜自動車の理由、そしてタバコと生きたタラバガニ」

3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年08月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031