令和になって5年後の2024年に新紙幣が発行される。このことは、4月11日付日記:「キャッシュレス化に向かう今、新紙幣を発行へ、もっと早く登場して欲しかった渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の輝ける明治の偉人たち」で述べた。
◎今も「聖徳太子」を保存する
さて、その日記でも述べたが、僕は1世代古い聖徳太子の1万円札、5000円札を保存している。さらに今や骨董品になるだろう100円札や500円札まで持っている(写真)。
新紙幣に切り替わっても、今の福沢諭吉や樋口一葉は使えるから、これも当然に使用できる。
だから僕は安心して保存している。
しかし、もしもだが、もしも政府が新紙幣発行後の例えば5年後(すなわち2029年)に古い紙幣は流通不可=使えないというようにしたら、どうなるだろう?
むろん僕は、聖徳太子を銀行で渋沢栄一と津田梅子に交換する。ピン札でもないから、将来、希少価値から額面以上の値が付くことは望めないからだ。
◎旧札が一定期間後にもし使えなくなったら
僕のように、せいぜい2、3枚なら、交換の手間もかからない。
だが世の中には、それで青くなる人が大勢出てくる。
前掲日記で、タンス預金、つまり家庭に退蔵されている現金が50兆円ほどある、と述べた。その多くは、おそらく9割はアングラマネー、分かりやすく言えば税を免れた現金だろう。
超低金利でインフレ率1%未満の今、脱税した輩は、運用に頭を悩ませずとも貸金庫かロッカーにでも1000万円束を積んでおくだけで、税務署から捕捉されないし、相続税も免れる。
ただ、これはやはりノーマルでもフェアでもない。
それをあぶり出す必要はある。その最良の手が、古い紙幣を通用不可にすることだ。
◎行き場のなくなるアングラマネー
それに似た例は、インドのモディ政権が2016年に突如として断行した1000ルピー札(日本円換算で約1600円)、500ルピー札の廃止である(2016年11月17日付日記:「『インド人もびっくり』、インドのモディ首相、高額紙幣2種類を突然『廃貨』に」を参照)。ダークマネー根絶が目的であった。
そこまで行かなくとも例えば5年後に古い紙幣を流通不可、としたら、アングラマネーは行き場に困ることになる。
◎消費に回させれば4兆円の消費税が入る
銀行に持ち込もうとしても、その時にはマイナンバー制度が厳格に運用されているだろうから、たちまち税務署に捕捉され、出所を追及される。今は、現金100万円以上の海外送金は、国税当局に送金調書が届けられるので、これも難しい。
すると物か旅行に使うしかない、ということになる。すると、その時点で10%の消費税が取られる。金(gold)に替えても、金購入に10%の消費税がかかる(写真=金地金)。
もしアングラマネーが40兆円だったとしても、4兆円の消費税が国税庁に入ってくる。脱税されたカネの一部は確実に取り戻せる。
さらに一斉に巨額の消費が喚起されるから、景気に大きく寄与するのは間違いない。
この千載一遇のチャンスを、税務当局も財政当局も見過ごすだろうか。
日本的なタンス預金は、これをきっかけに死語になる可能性も無いではない、と僕は思っている。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記:「なぜ民主主義は脆弱なのか、束の間の希望をへてカンボジア、再びの独裁、中国の新植民地化」
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