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2019年06月09日18:03

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梅雨入りに梅酒を作り、前世紀の梅酒を発見する

 私のうちには一鉢の紅梅がある。亡父譲りのものだが、その死後四半世紀になるから、おそらく樹齢は三〇年以上だろう。
 さしたる手入れもしていないのだが、「東風吹かば」で毎年律義に花をつける。以前は気づかなかったのだろうか、近年はちゃんと実をつける。

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 今年はそれがちょうど一〇個になった。このまま朽ちさせるのも可愛そうなので、戯れに梅酒でも作ってみようという気になった。
 ネットで一通り作り方を見たのだが、たった一〇粒のために、わざわざ何かを買い求めたりすることはやめて、ありあわせのもので間に合わせることとした。

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 氷砂糖がない。これとは著しく趣が異なるが、キザラならある。躊躇していたら、ネットにブランデーをベースにした梅酒が載っていたのを思い出した。これならもともと味が濃厚だからキザラでもと思ったが、ブランデーそのものがない。

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 で、結論。手持ちの安物のウィスキーとキザラで作るということに。だんだん本道から外れ、まがい物になってゆくが、それはそれで楽しみではないか。失敗しても、風邪薬ぐらいにはなるだろう。

 というわけで出来たのがインスタントコーヒーのビンに入ったもの。梅にポツポツ傷があるのは、エキスを滲み出させるためにつけたもの。
 さて、出来たものの保存だが、冷暗所がいいとある。さして広くないわが家、冷暗所などというのは限られている。階段下の収納スペースの一角がなにもないままに空いている。
 
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 その時、何かひらめくものがあった。そう、そこには確か、すでに梅酒があるはずなのだ。数年前、その収納部分を大整理したとき見かけ、もう少し待ってみようと改めてそこへ収めたのだった。
 作ったのは一九九〇年台の中頃で、当時はまだ飲食店をやっていて、カウンターに来た顧客から、氷砂糖をあえて使わず、単に梅を焼酎に漬けるだけで、辛口のリキュール風の飲み物になると聞き、作ってみたものだ。
 
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 あった。経年のことで蒸発などの目減りが心配だったがそれもさほどない。ただし、フタを開けるのにかなり苦労した。
 香りをかぐ。梅独特の香りが一挙に鼻孔を襲う。小さじに掬って恐る恐る口にしてみる。いいではないか。当初の(といっても二〇年前のだが)イメージ通り、辛口で梅の香が強調された飲料になっている。これなら、ロックや水割りで食中酒にもなる。

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 なんか思わぬ拾い物をした気分だ。これで、我流のウィスキーの梅酒ができれば万々歳だが、どうだろう。
 
 田舎に疎開していたガキの頃、毎年この時期はちり紙に包んだ塩を持って、梅の木の下で、青梅をガリガリ食っていたのを思い出した。
 梅に降る雨で「梅雨」とはよく言ったものだ。
 
 


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