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2019年05月04日00:42

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【大嘗祭の本義】

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「天津罪」とは単にスサノヲひとりの罪ではなく、地上人類全ての天上の神々への罪である。天地の間に「穀霊」はただひとつしかなく、それが地上にもたらされたとき、高天原は荒廃に帰する。神々と人間のライヴァル関係こそ日本神話の基本である。

スサノヲの高天原に於ける乱暴狼藉と、それにつづく追放の「プロメテウス神話」的な本質が気付かれにくいのは、スサノヲが天界より奪つたものが、幾重もの韜晦につつまれてゐるからだが、プロメテウスに於ける天上の火種に相当するものを、あからさまに言ふとすれば、「天津金木」なのである。

何故この件が、かくも韜晦されねばならぬかといふと、古来小正月の農耕儀礼で、天上の穀霊を田畑に招来する儀礼が、最大限のデリケートさを要求することと関連する。穀霊は、例へば大きな物音に驚いて、易々と死んでしまふ。イミハタドノの織女のやうに、またクシナダヒメの姉たちのやうに。

天上の穀霊の招来が失敗するといふことは、何を意味するかといふと、人間をふくむ万物の成長が阻害され、穀物は実らず、子は育たない、といふことである。
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