エイプリルフールの4月1日。午前11時半すぎ。官邸から生中継で新元号が発表された。
午前中、有識者が集まっていくつかにしぼられた候補の中から選んだという。有識者の中には、元ＮＨＫアナウンサーで大学教授の宮崎緑や、作家の林真理子、ノーベル賞の山中伸弥教授らがいた。
昭和にあった「和」という字がこんなに近々に再び入るとはちょっと意外だったが、日本人はみな和という言葉が好きだから、和が入っていると安心するのだろう。
しかし「令」は意外も意外。意図的なのかどうか大方の予想を大きくはずしたのはよかった。
「令和」REIWA は平和 ＨＥＩＷＡと一字違いだし、peacefulな響きになんとなく品があるというか 高貴で未来的なイメージもする。令嬢とか令夫人とか。スターウォーズのレイア姫とか？
当初「安」という字を使って、安久とか、安正とか字画が少 なく覚えやすい元号の 案がたくさん出ていたが、安倍首相が自分の苗字を年号に入れようとしていると批判 が起こっていた。
安は安心、安らかという意味ではよいが、安直、安物という意味であまりよいとは思わな い。
「令和」は、 万葉集からの典拠という。今までの元号は、漢籍が多かったが、国書から引用されるのは初めてという。
脱中国とかいって、また日中関係の悪化をあおる輩が出てきそう。
元ネタは万葉集の「梅花（うめのはな）の歌三十二首」の漢文で書かれた序文
http://manyou.plabot.michikusa.jp/manyousyu5_815jyo.html
初春令月 気淑風和
梅披鏡前之粉
蘭薫珮後之香
初春（しょしゅん）の令月にして気淑（よ）く、風和（やはら）ぎ
梅は鏡前の粉を披（ひら） き、蘭は珮後（はいご）の香（かう）を薫（かをら）す
万葉集に自分の名前の字を見つけてちょっとうれしい。
安倍首相の解説によると、 この一節の意味は
「人々が美しく心を寄せ合うなかで文化が生まれ育つ」そんな 気風をあらわしているという。
梅の花のように一人一人の日本人が 明日の希望とともにそれぞれの花を美しく咲かせられる、そんな日本でありますよう に ・・・と。
エイプリルフールなのでなんだが実感がわかないが、 令という字はたしかにあまり人名に使われないなと思っていたら、現役の憲法学者の方に川岸令和（のりかず）という方がおられるらしい。
律令のリョウ 命令、年令のレイ
命令、指令、徳政令 など お上からの一方的な命令を意味する 。
「政府の命令に従って、和を乱すな」ということでは？と意訳していた人もいた。
外国のマスコミの中には平和を命令するつまり治安維持法のことだとか、令の読みが零（０）と同じであることから平和がゼロ（ない）だなんてひどい元号だ、、と言っているところもあり日本の右傾化を懸念しているとか。
しかしもともと漢字は中国のものであるが日本で独自に発展したものだ。よほど不吉なものは別として漢字の意味はなんとでもとれるから、いくらでもこじつけ可能ということだろう。
聖徳太子は十七条憲法で 「和をもって尊しとなす」といったし、日本人が和を重んじる民族であることは事実だが「和して同ぜず」という言葉もある。
あと令が入っている漢字で思い浮かぶのは、
零、澪、鈴、玲、怜、冷、齢、苓、伶 聆 嶺、領
だいたい音読みは「レイ」と読むと思うが なんとなくクールで格調の高い響きがある。
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