「スパイダーマン：スパイダーバース」映画

『スパイダーマン：スパイダーバース』
＜ストーリー＞
　１３歳の少年マイルス・モラリスは謎のクモに噛まれてスパーダーマンの能力を得るが、目の前で本来のスパイダーマン、ピ−ター・パーカーの死を目撃する。失意にくれるマイルスの前に現れたのは別次元のピーター・パーカーだった・・・
＜コメント＞
　TVシリーズの『スパイダーマン』で悪人を追ったピーター・パーカーが次々と次元転移して異次元のスパイダーマンたちと共闘するシリーズがあってその面白さにあっけにとられた。異次元のスパイダーマン一人一人にオリジンがあってドラマがあり、活劇があるのだ。ある意味スパイダーマンに無限の可能性が広がったように思えた。（もちろんそれは原典であるコミックの映像化なのだから当然であるけれども、さすがにそれらのコミックを読破するのは難しいし）
　そしてこの設定を利用して映画化された本作もまあ、実に見事な「スパイダーマン」のドラマになっている。特殊なクモに噛まれてスパイダーマンとなった少年マイルスの成長物語であるのだけれども先輩となる異次元のピーター・パーカーがダメ中年なのが笑える。
　そこに次々と異次元のスパイダーマンが集結してきて宿敵キングピンと戦うのだけれども、これまたチョイスが傑作でグエンがスパイダー能力を得た“スパイダーグエン“白黒でナチスと戦っている”スパイダーマン・ノワール“カトゥーンの世界から来たブタのスパイダーマンの”スパイダー・ハム“は判るけれどもクモのパワードスーツを着た制服の女子高生はどう見ても日本キャラではないか！実際彼女がPCを操作するシーンでは画面に「コンピューター」という日本語が出るし。要するに面白そうな要素を全て詰め込んでいるのだ。いわゆるダレ場では彼・彼女らが活躍するのでもストーリー的にダレるシーンがない。ダレないと言えばアニメ的にもありとあらゆるテクニックが駆使されているので画面から目を離せないのだ。
　アカデミー賞の受賞も納得の傑作。

スパイダーマン：スパイダーバース
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