筆者は、東進ハイスクールのカリスマ英語講師である。その経験が、これでもかと具体的な処方箋として記された良書である。
人前で授業をするときは、つかみとフィナーレが大切である。最初と終わりがよければ、生徒はよい印象を持つ。
しかし、ただ熱気を伝えるだえでは、生徒は授業中に疲れてしまう。そこで、つかみで授業の熱気を上げる。しかし、続いて熱気を一気に落として、徐々に徐々に緩急をつけながら、再び熱気を上げていく。最後にドカンとフィナーレを迎えるわけだ。
肝心の中身だが『教育者は五者足れ』という格言がある。学者、役者、易者、芸者、医者である。
学者は、生徒よりも知識がなければ教えることなどできない。二倍三倍できれば五倍は勉強しておかないと、付け焼き刃の知識では、教育現場という戦場では戦えない。
役者は、人前で演技できなければ教壇に立つことはできない。常に、見られているのである。ボソボソ喋らず、アイコンタクトとジェスチャーを駆使し、役者となるべきである。
易者は、占い師であり不確かな未来を伝え不安がらせてはならない。たとえ、合格の確立が低くとも、占い師が説得するように絶対の保証をして安心させる方がよい。それが思わぬ底力となる。
芸者は、つまらない授業をしてはならない。ときに雑談を含めた笑いを提供することで、「飽き」を防ぐのだ。
医者は、患者を診ずに一律に医療を施してはならない。生徒といっても十人十色である。だから、一人ひとりにカスタマイズされた教育を施した方が、ずっと効果がでる。
要約すれば、よい教育者は授業の構成をしっかりと準備し、様々な役割を全うしなければならないのである。これから教壇に立つものとして、目からうろこの知識と技術が詰まった一冊だった。
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