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2018年12月12日11:09

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ハンセン氏病療養所の婚活と、僕の世代の人たちのその見方やS園の問題点

  12月9日の日曜の朝5時のETVの「心の時代」という番組で、元患者の主婦の話が放送された。僕は録画して見たし、再放送は15日午後一時からあるから、興味がある方はご覧ください。


  その主婦は1935年ごろ生まれ、戦後に発病。少女期に。そのまま、多磨全生園に入り、2000年過ぎて、例の国からの和解金でマンションを買い、数年間在宅で暮らしましたが、体力が衰えたため、再び全生園に戻ったわけです。「マンション暮らし」は後半。夫はずっと全生園暮らしでした。

   番組の前半。入所当時の元患者同士の婚活の様子が話されていました。当時の法律により、断種手術を強いられたのはあってはならない事にしろ、若くして入所したその女性は独身元患者に持てたわけです。多くの独身男性元患者たちから「園内デート」。園の中に、藪みたいな所もあるそうで、そこがデート場所だとか。そして、一男性と結婚したわけです。放送でも「療養所は、結婚を奨励する気風が元々あります」と語っていました。

   以下が40年前、僕が全生園で複数の元患者さんや職員から聞いた事ですが、以上の気風は本当らしく、元患者同士は勿論、戦後に限っての事でしょうが、元患者男性が女性ナースと結婚する例もあるわけです。但し、元患者女性と男性職員の結婚例については、聞いていません。昔は男性ナースがいなかったわけだし、その例はあったのか、僕は何とも言えません。とにかく、何人もの元患者と職員から「人間は結婚するのが当たり前。友だち作りの目的も配偶者探しです」と聞いています。また、僕は当時所属していた福祉団体の人たちと一緒に行きましたが、元患者さんや職員たちはその福祉団体の交友目的も「配偶者探し」だと思っていたようです。僕も「その会で結婚相手を見つけるでしょう」と元患者さんから言われたのを覚えています。

   以上の事を聞いた当時の学生ボランティアの反応も様々でした。反応らしい発言もしない人もかなりいた。中には、「交友の目的は配偶者探しという発想は狭い」と影で批判した人たちもいた。また、「そのように狭い状況に追い込んだのは差別のせいだ」と思った人もいました。個人差はありますが、当時のその会の人たちは友人関係を深めれば、介護問題も解決でき、諸々の差別も消え、結婚したい人は結婚もできるようになると思ったようです。その一環として、全生園に行き、友人になろうとしたのかもしれません。でも、考えかたがすれ違った。当時の僕は、身障者の結婚難に問題意識を持つなど、彼らとも違う考え方でしたが、まだ社会経験が浅く、はっきりした答えは見出せませんでした。但し、対同性と異性では付き合い方を変えなければならない事は気が付いていたわけです。

   その会の友人理念みたいなものはすぐ崩れ、会は消えたわけです。そうでしょう。例えば、全メンバーは隣近所の人達とも付き合えない・友人になりたいとも思っていません。それで全生園に行って友人を作るのはおかしいわけです。また、介護関係も。プライベートな生活に立ち入るため、友人にしてもらうと、甘えが出たり、気持ちの行き違いからケンカにもなるわけです。とても任せられません。更には、同性に対する付き合い方と異性に対する付き合い方は違いますが、「友人関係」は男も、女も同性を基準に付き合うものです。でも、男と女は脳も、身体構造も違うため、発想や感覚も違います。同性の友人の要領で付き合っても、すれ違いに終わるだけです。僕も経験上判ります。今の僕は対女性たちには徹底的に気持を察しながら付き合っています。そうしないと付き合えない。更には、障碍の有無の問題も。それも種類によって違う。その福祉会には聴覚に障害を持つ方も入りましたが、結局は付き合えなかったわけです。身障者同士も微妙に違うし。難しいわけです。少なくとも、療養所の事を狭いとは言えなかったわけですね。対異性は察し合うと非常に楽しい。むしろ、療養所の付き合いの方が真実に近いとさえ今は思います。それに、個人差はありますが、結婚した旧友のかなりは友人作りを止めている例が。かつては、療養所のそれを陰で批判した人たちも。ならば、 後年は見方を変えたと言わざるを得ませんね。

   一方、S園は身障園生の恋愛や結婚には全く配慮が見られなかったわけです。更には、知的障碍関係も。知的障碍者も恋愛感情は持つわけですからね。その事に僕も激怒していました。一番怒った事ですね。それゆえに今になったとは言え、実録小説も書く気になったわけです。S園と療養所の比較はできませんが、実録小説書きの参考には以上の番組はなりました。

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