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2018年11月21日23:36

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「ボヘミアン・ラプソディ」

すでに巷でもかなりの話題となっている、フレディ・マーキュリーの自伝となる映画「ボヘミアン・ラプソディ」。
1週間前に観たときにはいろいろと疑問点が生じていたのだが、その後のネットニュースやNHKで放送された「SONGS」で、映画は事実とかなり異なっていることがわかった。
それでも全編QUEENの名曲が流れ、映画としては素晴らしい出来となっている。

インド系の移民であったファルーク(ラミ・マレック)は厳格なゾロアスター教の家に生まれた。
家族を愛しているものの、父の厳しい教えにはやや疑問を感じ、ロックに傾倒していく。
そしてある晩、ライブハウスで演奏していたバンド「スマイル」に、ボーカルとして自分を売り込んだ。
スマイルはちょうどその晩ボーカルが脱退しており、ファルークはすんなりバンドのメンバーとなる。
ファルークはフレディを名乗り、バンドは1年後に4人編成となって「QUEEN」としてメジャーデビューを果たした。
フレディはスマイルに加入した夜、ライブで出会ったメアリーと出会っていた。
その後再会した二人は婚約をする。

QUEENはBBCに出演し、その奇抜な演奏で一躍話題となる。
これまでにない発想の彼らの曲、演奏は賛否両論が入り交じり、イギリスでも必ずしも高い評価ではなかったが、それでもツアーにはファンが押しかけ大成功だった。
その後の新アルバム作成時に、映画のタイトルとなる「ボヘミアン・ラプソディ」が作られる。
オペラとロックが融合し、6分を超える楽曲にレコード会社の重役は難色を示すが、彼らは自分たちのポリシーを押し通しレコード会社との契約を破棄してしまった。
それでもこの「ボヘミアン・ラプソディ」は大ヒット、QUEENは全世界のスターへと駆け上っていった。

QUEENがスターとなり仕事が忙しくなると、フレディの心境に変化が生じてくる。
彼は自分がバイセクシュアルであることに気づき、男性マネージャーのポールと恋人となりメアリーとの婚約を破棄してしまった。
さらに私生活もどんどん派手になり、メンバーには無断でソロ活動も始めてしまう。
その事でメンバーとの間に大きな溝ができてしまった。

その後、アフリカ難民救済を目的としたチャリティコンサート「ライヴ・エイド」出演の話が持ち上がる。
ポールはQUEENとしての活動に反対するが、メアリーの説得でフレディはQUEENとしての活動を再開する。
だがその時点でフレディの体はエイズにむしばまれていた。
病の体を押して、フレディは「ライヴ・エイド」のステージにあがる。

スターとなったグループで、メンバーが破滅しそうになるという点では、ザ・スリー・ディグリーズやフォーシーズンズとも重なる。
売れれば売れるほど仕事が過酷になり、精神的に迷走してしまうのだろう。
特にフレディは、ゾロアスター教の家に生まれ、厳格に教えを護る父を愛するものの、考え方にはやや違和感を感じていた部分でもその要素が強かったのかもしれない。
映画ではそのあたりも巧く描かれていた。

映画を観た直後は、フレディがあまりにも簡単にメンバーに加わっているので、このあたりはエピソードが少なかったのか、とか、当初はイギリスよりも日本での評価が高く、そのために「Teo Torriatte (Let Us Cling Together)」が生まれたのかと思ったけど、そこに触れていないという事はそうでもなかったのか、など、自分が想像していたQUEENのストーリーとは異なっていたのでやや違和感を感じた。
だが冒頭にも書いたが、映画用にかなり事実と事なるストーリー構成になっているようだ。
フレディがバンドに加わるまで、実際には1年くらいかかっているらしい。
またフレディがソロ活動をした事については、メンバーは特に違和感を感じたこともなく、「ライブ・エイド」の前にすでに再結成されアルバムも出されていた。
エイズに罹患している事も「ライブ・エイド」の後に発覚したらしい。

映画用にドラマティックにストーリーを再構成しているのだが、ドキュメンタリーという訳ではないので、関係者がそれを許可しているのであれば大きな問題ではないだろう。
この映画の主題は、QUEENがスターになるまで、そしてその後のフレディの内面の葛藤、さらに「ライブ・エイド」の奇跡のパフォーマンスなど、QUEENの伝説をクローズアップする作品だ。
「ボヘミアン・ラプソディ」に加え、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」が観客も演奏に参加できるように作られたことなど、QUEENがどのように楽曲を作っていたのかもきちんと表現されていた。

一部の劇場では観客が一緒に歌う応援上映もされているらしい。
さすがにシラフだと気恥ずかしいが、酔った勢いで応援上映に行ってみたい気もする。


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