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2018年11月08日22:30

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年に一度の巻物の点検

 これまで私は趣味で何本かの巻物を収集してきました。

 そして今の時期にその巻物を広げて掃除と点検をしております。

 古典的な価値のある巻物を広げてみれば、いにしえの巻物の世界に誘われてしまいますが、今回はこの1本の巻物の成り立ちについて調べて見ることにしました。


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 これがその巻物でして、その下にあるブラシで貴重な巻物の表面のゴミを拭き取り、少しでも良い状態を長持ちさせませんと。

 巻物の中には以下のような書がしたためられております。
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 1  回 送
 2  試運転
 3  臨 時
 4  団 体

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 5  修学旅行
 6  (空 白)
 7  (空 白)

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 8  やまびこ 東京
 9  やまびこ 上野
10  やまびこ 大宮
11  やまびこ 仙台

フォト

12  やまびこ 盛岡
13  (空 白)
14  (空 白)
15  なすの  東京

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16  なすの  上野
17  なすの  那須塩原
18  なすの  郡山
19  なすの  仙台

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20  (空 白)
21  (空 白)
22  (空 白)
23  あさひ  東京

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24  あさひ  上野
25  あさひ  大宮
26  あさひ  新潟
27  あさひ  越後湯沢

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28  あさひ  ガーラ湯沢
29  (空 白)
30  (空 白)
31  たにがわ 東京

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32  たにがわ 上野
33  たにがわ 高崎
34  たにがわ 越後湯沢
35  たにがわ ガーラ湯沢

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36  (空 白)
37  (空 白)
38  (空 白)
39  SHUTTLE GALA




 見ての通り、これは東北上越新幹線で活躍した200系新幹線の車体側面にありました方向幕のフィルムの巻物です。
 この200系新幹線は、活躍した時期が長く、またその間に新幹線の運行形態の変更に伴う列車名称の変更などにより多くの種類の方向幕が存在します。
 ですから昨年この巻物をネットオークションで落札できたときは本当に嬉しかったですし、大切にして行こうと思うと共に、他の200系新幹線の巻物も欲しいと思いましたね。

 ではこの巻物の特徴を挙げますと、
1,東北新幹線用としては、「やまびこ」と「なすの」が有るが、「あおば」は無い。

2,上越新幹線用としては、「あさひ」と「たにがわ」があるが、「とき」は無い。

3,「あさひ」と「たにがわ」にはガーラ湯沢行きがあるのと、SHUTTLE GALAもある。

4,「なすの」の郡山行きと仙台行きは珍しいのではないか?

5,「やまびこ」と「あさひ」には大宮行きがあるが、「なすの」と「たにがわ」には無い。
  何でだ?

6,27番の「あさひ」越後湯沢行きと、28番の「あさひ」ガーラ湯沢行きは後から追加したのではないか。 

7,13番と14番の空白は、もしかしたら、「やまびこ」新青森と「やまびこ」新函館北斗用に空けていたのかも?
 青函トンネルを走行する200系新幹線は是非見てみたかった・・・

8,20〜22番の空白は、もしかして「なすの」盛岡、「なすの」新青森、「なすの」新函館北斗だったりして?
 東京駅から各駅に停車して新函館北斗を目指す200系新幹線は乗る価値があると思うが、何回「はやぶさ」や「はやて」に追い抜かれるのだろうか?
 かつて博多発名古屋行きのこだま号があったが、それに負けない列車になっていたのではないか?


 さて、この巻物の列車名の組み合わせから、どの時期にどの編成で使われていたのかを調べて見ましょう。

 この巻物は、東北上越新幹線開業時から使われた物では無いはずです。
 それは「あおば」と「とき」が無いので、途中から製造された巻物であると考えられます。
 ではいつの時代かとなると、「あおば」と「とき」が廃止されてから「あさひ」が現役までの期間に製造されたものですから、時期的には限られてきます。
 
 次にこの列車名を見ますと、「あさひ」は長野新幹線の「あさま」と紛らわしいとのことで、「とき」に名称が変更になりましたが、もしこれが新潟の基地所属編成であれば、「とき」を後から追加していたはずです。
 と言うことは、この巻物を使っていたのは仙台の基地所属の200系であるはずです。

 それから別の見方もあります。

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 この巻物の端部に画像のような標記があります。 Koito 98−10
 これは株式会社小糸製作所が1998年10月に製造したという証しです。
 つまりJR東日本の発注を受けて小糸製作所がこの時に製造した物で、この時期に何か大きな出来事があったはずです。


 そこで200系新幹線電車の1998年周辺の出来事を調べて見ますと、400系やE3系と併結出来るK編成がそれまでの8両編成から10両編成になったのと同時に、F編成の一部が12両編成から2両抜き取り(これが前述のK編成の10連化に使用)、10両化されたF編成をK編成に改造していたのです。
 つまりこの巻物はK編成の物であることは間違い有りません。
 さて、ここで新たな疑問ですが、8両を10両化したK1〜K11編成(10両化後はK21編成〜K31編成で使用していたのか? 
 それともF編成から追加改造されたF41〜F51編成で使用された物なのか?

 個人的な想像ですが、私はこの巻物はK41〜K51編成で使用された物では無いかと思うのです。その理由ですが、8両時代のK1〜K11編成は1992年にF編成からの改造により誕生しました。この当時はまだ「あおば」が存在していました。つまり巻物には「あおば」が有ったはずです。
 次にK41〜K51編成が改造された98年当時はもう「あおば」はいませんから、巻物の中に「あおば」を入れておく必要は無いはずです。
 K41〜K51編成の改造時に抜かれてK1〜K11編成に組み込まれる2両はこれまでの方向幕でも問題は無いでしょう。
 そしてK41〜K51編成は改造時に無用な「あおば」と「とき」を入れておく必要は無いと判断されたのではないかと思うのです。仙台所属車が上越新幹線運用に入ることはもう無いのですから、方向幕のコマも整理しておこうと考えたのでしょう。
 そこでK41〜K51編成はこの新しい方向幕に交換。同時に方向幕の指令器にも変更を加えていたでしょう。
 そしてK21〜K31編成も全般検査で仙台工場入場時に、この新しい方向幕と変更を加えた指令器に交換されたでしょう。

 そのK編成も200系新幹線としては最後まで残りましたが、更新工事で方向幕からLED表示に交換されてしまい、新しい方向幕も活躍の期間は短かったのです。

 まあ200系K編成の物だと思いますが、実際は違っていたりして?

 他にも清掃点検する巻物があるので、それも順次作業していきます。

 そして巻物よりも更に古い時代の物・・・鉄板に書き記していた物。

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 これもきちんと清掃点検しないと!!

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