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2018年05月17日02:01

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スリー・ビルボード

フランシス・マクドーマンドが今年のアカデミー主演女優賞を、サム・ロックウェルが助演男優賞を獲得した映画「スリー・ビルボード」。
大阪には上映しているところがないのでまたまた宝塚のシネピピアまで観に行った。

アメリカミズーリ州の田舎町を貫く道路に並ぶ、3枚の広告看板。そこには、地元警察への批判メッセージが書かれていた。7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッドが、何の進展もない捜査状況に腹を立て、警察署長にケンカを売ったのだ。署長を敬愛する部下や、町の人々から抗議を受けるも、一歩も引かないミルドレッド。町中が彼女を敵視するなか、次々と不穏な事件が起こり始め、事態は予想外の方向へと向かい始める……

http://www.foxmovies-jp.com/threebillboards/sp/

Fマクドーマンドがこの映画で役づくりの参考にしたのは西部劇のアイコン、ジョン・ウェインらしい。常に戦闘態勢にある役の参考になる女性のアイコンが見つからなかったからだという。

雑誌「スクリーン」に掲載された彼女のインタヴューを読んだ。

「スリービルボード」で2度目のオスカーに輝いたF・マクドーマンドはめったに取材を受けないことでも知られる。そんな彼女がインタビューに応じたのはこの映画への思い入れの強さの証明だろう。
実際彼女は以前からマーティン・マクドナー監督の作品に出たいと売り込んでいたという。

Q)主人公ミルドレッドは気性がはげしくも知性がありダークでありながらもユーモラスな部分もかかえている。その複雑さをどのように演じたのか。

A). コメディとくに舞台でのコメディの経験が十分にあるので自信があった。
ミルドレッドが司祭へ投げかける台詞には、ジェンダーや政治の要素も全部入ってる。人種問題も。なぜ黒人の役柄が映画のメインにならないのか。それがこの台詞のポイント。アメリカ映画では少数民族出身者はわき役になることが多すぎる、本当はこの台詞のようにあるべき。

マーティン・マクドナー監督は、ウィロビー警察署長役のウッディー・ハレンソンとこんな話をしたそうだ。
「もし文化を最も単純な形式に戻すとしても道化の存在は必要。映画館も舞台もいらない。それでも路傍に立ち、人間の善と悪を表現することはできる。それが本当の道化だと思う。だから役者の失業は心配ご無用。いつの世にもうまい道化は引く手あまたあるから。」

現在60歳の彼女は映画「ファーゴ」ですでに主演女優賞をとっている。(彼女の夫は『ファーゴ』のコーエン監督)
テレビのエミー賞、舞台のトニー賞と3冠を達成した数少ない女優のひとりだ。
インタビューは最後にこんな質問で締めくくられている。

Q)これまでの人生で最高の瞬間はいつだったか

A) これからだと思いたい。女性には3つの段階があるといった友人がいる。娘・母・老婆。
老婆だって昔はいろいろな国で尊敬される対象だった。今もそう。母系社会の中心として閉経後も出産できなくても性的魅力が減ってもその豊かな経験は地域社会に役立つの。
年取ったことをどうこういう必要ない。ありのままでよいの。60過ぎると朝起きるのも大変。50代とは違う。でも後悔はしていない。いつが最高だったかということは悪かったときもあったということ。だから最高のときはこれからだと思っているわ。

彼女と年の近いアラ60の女性たちに元気を与える言葉だ。

この映画、まったく予習せずに見たのだが、クセになりそうなほど面白かった。面白いというと語弊があるけど人間がもつあらゆる感情、性癖、強い部分と弱い部分、正義と悪の側面を濃いキャラの俳優陣たちに感情移入しながら見れるところがとても面白かったのだ。

映画を見たあとこの人のブログを読んだらこの映画に込められた多くのメッセージがよく整理され書かれていた。ミルドレッドが司祭にむけて放つ台詞の深い意味についても書かれている。

http://camusiclife.com/2018/03/09/%E7%B5%90%E6%9C%AB%E3%81%AF%E3%83%8B%E3%83%A4%E3%83%AA%EF%BC%9F%E5%AE%9F%E8%A9%B1%E3%81%8C%E3%81%A1%E3%82%89%E3%81%A4%E3%81%8F%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%80%8E%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%93/
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