Ｘ君との関わりもＳ園の事が土台にあります・旧友たちへのメールから

　（Ｘ君とは、僕が若い時に付き合った暴力性・精神障碍を持つ人）
　二つの面でそうですね。
　　まず、Ｘ君の話をＶＹＳ先輩から聞いた時が７８年３月。Ｓ園とのトラブルが起きつつある時で、園生の人権を僕も強く考えていた時でもあった。それゆえ、世田谷の身障者たちから嫌われていたＸ君に対しても、Ｓ園園生の人権を考える延長で、問題意識を持ったわけです。
　　Ｘ君は暴力の癖があるなど、関われない事が数年後にはっきりしましたが、やがては精神病院に入院になる事が見えていた。その精神病院もＳ園みたいな所だと思い込み、そのような所に入るのかと思い、Ｘ君に対して非常に後ろめたい気持ちになったわけです。
　　Ｓ園に行かなければ、７８年に話を聞いても、Ｘ君に僕も無関心でしたよ。Ｘ君と一緒に、高大生という福祉親睦会に入り、そこで僕は友人もたくさんできましたが、その会にも行っていないわけです。それだけ、僕の若い時の世界は狭くなっていた。間接的には、Ｓ園に行った事は僕の世界も広めたわけです。Ｘ君と付き合わなければ、僕も他の身障者同様に精神障碍者に対しての差別意識を強く持ち続けたと。昔は精神障碍の事が世間に広まっていなかった事もあり、どの学校も、先生も、生徒も精神障碍者への差別発言を公然として、学校自体がその差別を広める働きをしていましたからね。
　　新たな体験小説を書く時は、以上の絡みも書くわけですね。