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2018年04月22日15:51

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居ながらにしての躑躅(つつじ)三昧

 この時期、わが家はツツジがこの世を謳歌している。
 玄関先には赤いツツジが燃えるように咲き誇っているし、一階の居間の南側はガラス戸越しに白いツツジがまばゆいように咲いている。
 その同じ木の高い部分はなんと私の2階の居室からも窓越しに見えるのだ。

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       これは一階の居間からのもの 緑と白のカーテンになる

 この白い方は樹高は4mを越える。樹齢は40年以上である。
 玄関先の赤い方も、樹齢は同様であるが、こちらの樹高は2m強である。玄関先はバス通りに面しているため、あまり伸び放題にすると自転車などの妨げになるため、適度に刈り込んできたせいでその差ができたのだろう。

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 白い方は、まったくの放任で、植えっぱなし、刈り込みもしなかったので、いまや下方で5m強の幅、高さは4mを越えることは既に述べた。
 ところで、一階では爛漫の咲きっぷりを見ているのだが、2階からはまだそれを見ることはできない。

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            双方とも、下は満開なのに上方はまだつぼみ
 
 というのは、ツツジの開花は下方から始まって上に至るため、下方ではもう爛熟期も過ぎて茶色に変色する花もあるというのに、上方ではまだ蕾のままなのだ。写真で見ていただくとおわかりになると思うが、赤い方もその習性に従っていることからして、それがツツジの開花の順序であることがわかる。
 その事実は、その開花をしばらくの期間にわたって楽しめることを示している。

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 もうひとつ面白いのは、白い方は基本的なは純白なのだが、毎年そのどこかに赤い花が何輪か咲くことである。
 花桃の木はそうした花をつけることで知られているが、ツツジはそれほど顕著ではない。毎年、赤い花が付く場所が違うのも面白い。なかには一輪の中にハイブリットな様相を表すものもある。

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 もっと不思議なのは、既に述べたようにうちには紅白の2本の木があるのだが、この現象は白にのみ現れ、赤の方は全て赤いままなのである。たぶん、遺伝子の優性・劣性と関係があるのだろう。

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 これだけの花をつけると、虫たちがやってくる。
 どういうわけか今年は蝶の仲間が少ない。やってくるのは蜂の仲間だ。アシナガバチ、小蜂、クマンバチなどがやってくる(ん?今年はミツバチも来ないな)。
 彼らは、その漏斗形の花の奥にまで頭を突っ込んで、懸命に蜜を吸う。それでは絵になりにくいので、そこから離れた瞬間がシャッターチャンスだ。

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 もうひとつの不思議は、ここ数十年ツツジと付き合っているが、その種が拡散して新しい代をみることがまったくないことだ。ナンテンや他の木は、あちこちに知らない間に顔を出して、可哀想だがそれを伐ることが多い。しかし、ツツジではそんな例はまったくない。
 
 ネットで調べたら、ちゃんと実をつけ、拡散するのだが、自然の条件下では他の雑草などに負けて芽吹くことはないのだという。
 自由奔放に放置してきたにも関わらずとても強靭で、年々歳々、私の目を楽しませてくれるこのツツジが、反面、そんなデリケートな繁殖の条件をもっているとはつゆ知らなかった。

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 私はいま、ある種の敬意をもってわが家のツツジたちを眺めている。かれらは自然という奇跡のうちでもかくも美しい姿で現れ、中途半端な生物である人間の端くれのこの私を、かなりの期間にわたって慰めてくれる。
 そこには、ぱっと咲いてぱっと散る桜とはまた違った趣の華やかさがある。

 これを書いている二階の部屋の前では、やっと膨らみ始めた蕾を付けた枝が風に揺れている。今月いっぱい、いや、もっと先まで楽しめそうだ。


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