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2018年04月21日12:03

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伸びしろのあるスケールの大きさ 辻彩奈さんのリサイタル

 20日、地元岐阜出身のヴァイオリニスト・辻彩奈(あやな)さんのリサイタルへ行った。
 2016年、モントリオール国際音楽祭で第一位をとったほか、併せて、バッハ賞、パガニーニ賞、カナダ人作品賞、ソナタ賞、セミファイナルベストリサイタル賞をとったというから、なんかとった賞が多すぎるのではないかとすら思ってしまう。

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 プログラムは、ベートーヴェンの「クロイッェル」のほかは、ポピュラーなものも含めて割合短めな曲で構成されたいた。
 
 演奏に関しては、弓使いが伸びやかでくっきりしていて、滑舌のいい人の朗読を聽くように説得力のある演奏だと思った。

 私のお気に入りはバッハの無伴奏パルティータ第2番ニ短調「シャコンヌ」で、ヴァイオリン一丁を感じさせないほど華やかな音色を醸し出していた。大家のくぐもった演奏に比べ、こんなに開放的な無伴奏もあったのかと、改めて感じ入った次第。

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 圧巻はやはり、モントリオールで賞をとった折の演奏曲で、サン=サーンスが名ヴァイオリニスト・サラサーテのために作ったという「序奏とロンド・カプリッチョ―ソ」。
 華麗さと繊細さがない混ぜになったこの曲は、それ相当のテクニックと、細やかな表現力を要請するもので、辻さんはそれを完全に手中のものとしていた。
 これなら、モントリオールで、聴衆がスタンディングオーベーションで絶賛したのもわかる気がする。

 まだ弱冠20歳、まだまだ伸びしろがあるヴァイオリニスト。今年5月には、ズビン・メータ率いるイスラエルフィルハーモニーとの共演で、シベリウスの協奏曲を弾く予定とか。
 世界に羽ばたくことができる人だと思う。
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