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2018年01月10日06:09

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2018年一発目のギンレイの2本

2018年一発目のギンレイの2本は、どちらも重たい作品だった。

まず、現ローマ法王がコンクラーベで法王に選出されるまでを描いた「ローマ法王になる日まで」。

アルゼンチンの大学生ホルヘは、ある日学校を辞めて神父になると言いだす。
ホルヘは周囲の反対を押し切ってイエスズ会に入会、日本にも普及活動に行きたいと願うがそれはかなわなかった。
しかし優秀なホルヘは、やがて神学校の責任者となった。
折しもアルゼンチンでは、軍事政権が誕生していた時期だった。
ホルヘは反政府運動を行っていた神学校の生徒たちを匿ったりするのだが、やがて仲間たちが軍に連れ去られて飛行機から落とされるという悲劇に見舞われる。
独立政権がやっと終わった後、ホルヘはドイツに留学する。
やたらと年を取っている事を自虐的に笑うホルヘだが、そこで宗教画「結び目を解くマリア」と出会い深い感銘を受けた。
アルゼンチンに戻ったホルヘは田舎で神父として働くのだが、ある日ヨハネ・パウロ2世から枢機卿の補佐を任命される。
その頃は首都ブエノスアイレスで貧富の差が広がり、ホルヘは貧民街を中心に教えを説く生活をしていた。
そして時は立ち、ベネディクト16世が退位を発表した。
コンクラーベに参加するためにホルヘはバチカンを訪れるが、そこで自らがローマ法王に選出され、フランシスコを名乗るのであった。

法王フランシスコの神父としての活躍をまとめた伝記的作品だ。
ただ正直日本人にはわからない部分が多い。
特に、フランシスコのどの活躍が評価されローマ法王となったのかが、よくわからない。

ストーリーとしては、身の危険を顧みず独裁政権時代に反政府運動家たちを匿ったことが一番大きな評価のようにも見える。
ただ、若くして神学校の責任者になっているように、元々エリートとして将来を嘱望されていたのかもしれない。
だからこそ、留学後に田舎で神父をしていたときに、枢機卿補佐の白羽の矢が立ったのかもしれない。
いずれにしろ、ホルヘがどうしてローマ法王として選ばれたのかが、映画を観ただけではサッパリわからなかった。
そのため、前半の独裁政権時代の描写は緊張感を持って観ることができたのだが、その後のストーリーはやや退屈に感じてしまった。

続いて「夜明けの祈り」。

第二次世界大戦終了後、フランス軍の軍医であるマチルドは、負傷したフランス兵の帰還のためポーランドの片田舎に赴任していた。
そこに地元の修道女が駆け込んでくる。
彼女に請われてマチルドが修道院に行くと、そこには臨月の妊婦がいた。
マチルドは帝王切開で子供を取り上げるが、術後の経過のため翌日も様子を見に来ることを提案、しかし修道女をそれを拒もうとする。
命の危険を説明すると、修道女は渋々マチルドの再訪を承諾した。

修道院内に不思議な雰囲気を感じたマチルドは、昼の勤務の後夜間に修道院を再訪する。
そこで、かつてこの修道院がソ連兵に襲われ、7人もの修道女が妊娠し事が判明する。
修道女たちはもちろん、妊娠、出産に関する知識はない。
マチルドは、すぐにポーランド赤十字に協力するよう修道女たちを説得するが、院長は修道院が閉鎖されることを危惧して頑なにそれを拒んだ。

かなり重たい内容の作品だ。
こちらも事実を元にして描かれているのだが、冬のポーランドと修道院が舞台のため、映像も暗めに撮影されていることも相まって、途中までの展開があまりに重すぎて観ていてかなりつらかった。
修道院の院長がもう少し柔軟な発想ができていれば、ここまで事態は悪化しなかったのではとも思うが、人生のすべてを修道院にささげた院長にそういう発想はなかったのだろう。
ご都合主義的な匂いもするものの、ラストはやや光のある展開となる。
それでも自らも病に侵されてしまった院長の末期は悲しかった。


6.ローマ法王になる日まで
7.夜明けの祈り
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