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2018年01月05日07:16

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「カンフー・ヨガ」

ジャッキー・チェン主演の映画としては、過去最高の興行収入を記録した映画だそうだ。
しかし個人的には、ジャッキー・チェン主演の映画としては過去に類を見ない「怪作」だと思う。

かつて玄奘三蔵も訪ねたインド北部の国マガダ国。
唐とも使節団が行き来するなど国交があり、国を治めるマガダ王家が唐に財宝を献上しようとするが、像軍を率いて反乱を起こしたアルジュナに奪われそうになる。
唐から来た使節団がなんとか死守して一行は唐に向かうのであるが、途中、チベットの山中で行方不明となってしまった。

時は流れて現代、中国の考古学者ジャック(ジャッキー・チェン)のもとに、インドの美人考古学者アスミタが現れた。
彼女は失われたマガダ軍の財宝のありかを示した地図を持参していた。
ジャックは助手のシャオグァンとその彼女ヌゥオミンを連れ、アスミタと共にチベットに向かった。
途中で、かつての親友の息子である若きトレジャー・ハンターのジョーンズ、そしてアスミタの妹のカイラもメンバーに加わった。
6人は地図を解読し、雪原の中で財宝の場所をほぼ特定する。
そこからジャックの友人でやはりトレジャー・ハンターのジャングオを呼び寄せ、雪原に穴を掘って地下の空洞を発見する。
そこにはかつてのマガダ王家の使節団と思われるミイラと、金貨などの財宝が眠っていた。

一行が世紀の発見に歓喜しているとき、謎の一団が襲いかかってきた。
反乱を起こしたアルジュナの子孫、ランドル一味である。
ランドルは自分こそが、この財宝の正当な継承者だと思っていたのだ。
雪洞の中で争いが繰り広げられるのだが、その中でアスミタは金貨ではなく謎の宝石を護ろうとしていた。
そしてランドルもその宝石を狙っていた。
争奪戦が繰り広げられる中、一瞬の隙をついてジョーンズが宝石を奪って逃げてしまった。

その後ジャックたちは、ジョーンズがドバイで宝石をオークションに掛けると言う情報を入手、アスミタたちとドバイに向かう。
ジャックはジャングオにオークションに参加させ、なんとか宝石を競り落とす。
しかしやはりオークションに参加していたランドル一味が、宝石を奪いに来た。
ドバイの市街地で激しいカーアクションが展開される中、バイクで現れたアスミタがジャックから宝石を受け取って逃げてしまう。
ジャックたちは今度はアスミタを追って、インドに向かった。

インドに着くと、アスミタは自分の正体を明かす。
アスミタとカイラはマガダ王家の末裔だったのだ。
そして宝石は「シヴァの目」と呼ばれ、失われたマガダ家の遺産を探すカギとなっていると言う。
ジャックとアスミタは、古文書からマガタ家の遺産がとある小さな寺院に隠されていることを突き止める。

劇中のジャッキー・チェンのセリフにもあるのだが、内容は「インディ・ジョーンズ」シリーズに近く、ハッキリ言って「なんちゃってインディ・ジョーンズ」である。
財宝のありかを探りながらヒントとなるアイテムの争奪戦を繰り返し、世界中を転々とする。
インディ・ジョーンズ以外の何物でもない。
ただ、それはそれであながち悪いわけではない。
チベットの雪洞、ドバイの市街地、インドの寺院の奥の空洞と、3か所で大きなアクションシーンが展開されるのだが、これはこれで悪くない。
ドバイのカーアクションもかなり迫力がある。
この部分での不満は、アクションシーンにあまりジャッキー・チェンが絡んでこない事である。
ハイエナの檻のシーンなどでは若手が頑張っているのだが、やはりジャッキー・チェンの映画と言えば、ジャッキー・チェンのアクションを期待してしまう。
とは言え、すでに60歳を超えた御大に激しいアクションを望むのは酷と言えるか。
ちなみにジャッキー・チェン映画特有のコミカルなシーンは、今までどおり健在である。
B級映画と考えれば、まずまずの作品と言えるだろう。

私がこの映画を「怪作」と思うのは、ラストシーンである。
マガタ家の遺産を発見したジャックたちとランドル一味は、クライマックスで乱闘となる。
そして通常のアクション映画なら、ヴィランであるランドルが敗れるのであるが、この映画では決着がつかない。
乱闘シーンの終盤で、多数の僧侶と住民が寺院の奥の空洞に侵入してくる。
それを見たランドルは遺産を我が物にすることをあきらめるのだが、その直後からジャックたち、ランドル一味、多数の僧侶と住民が、一斉にインド風のダンスを踊り始めるのだ。
私は観ていないので正確ではないかもしれないが、イメージとしては「ムトゥ 踊るマハラジャ」のようである。
そしてそのままエンドロールに突入、その後がどうなったのかはそのエンドロールでなんとなくイメージができるのだが、アクション映画のラストとしてはかなり面食らった。

人口の多いインドと中国の合作という事で、興行収入がジャッキー・チェン主演の映画史上最高となったのだろう。
そうとしてか考えられないほどの「怪作」である。
ある意味、話のネタに観ておくのもいいかもしれない。



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