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2017年11月25日10:26

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グランツーリスモSPORT タイヤのグリップ

ラリーのタイヤは、非常に硬い。
 グラベル(未舗装路)を走るラリーには、独特のタイヤが使われる。グラベル(ダート)は、ターマック(舗装路)よりも低ミューの路面なので、タイヤも、それに対応したタイヤが使われている。では、ダートのグリップは、どうやって稼いでいるのだろうか。決め手になるのは、タイヤの溝だ。複雑な模様でタイヤに溝が彫り込まれている。溝によってできる凸凹の突起で、土を掻いて前に進んでいる。横のグリップも同じで、凸凹の突起の角で、土に食らいついてグリップを生み出している。それに比べて、サーキットでのタイヤは、スリックタイヤを使う。溝がほとんどないツルツルのタイヤだ。ラリーは公道を走るため、舗装路といってもサーキットよりも路面が荒れているのが普通なので、純粋なサーキット用のタイヤではないが、ターマック(舗装路)を走る時には、スリックタイヤに近いタイヤを使う。この溝のない、スリックタイヤのグリップは、どうやって生み出されているのだろうか。タイヤと舗装路との摩擦によってタイヤのゴムが溶け、それで路面に強烈に食い付くようになっているのだ。単純な、タイヤと路面との摩擦だけではない。スリックタイヤは、タイヤのゴムの表面が溶けてこないと本来のグリップは発揮できない。タイヤが冷えている状態では、グリップが弱いのはそのためだ。ゴムを溶かしながら走っているため、サーキットのタイヤには、溝が必要ない。溝が必要になるのは、雨のサーキット、雨天走行をする場合だ。レインタイヤの溝は、路面に浮いた水を逃す役割をしている。タイヤと路面との間に水の膜ができるとタイヤは、非常に滑りやすくなってしまうからだ。ダートタイヤと、サーキットで使うスリックタイヤでは、グリップのさせ方が違うのだ。ダートでは、どんなにタイヤのコンパウンドを柔らかくしても、スリット(溝)がないと十分なグリップは得られない。この溝の形状によって縦のグリップを強くしたり、横のグリップを強くしたりもできる。もう1つ、ダートタイヤには、重要な特徴がある。硬くて重いことだ。特にタイヤの側面のゴムが分厚くて硬い。これは、パンク対策だ。ラリーのコースは、砂利が浮いていたり、岩の角が突出したりしていて、そこにタイヤの側面が当たるとパンクしやすい。SSを走っていて、いちいちパンクしていたのでは、タイムは出ないし、タイヤの本数も限られているので、パンクで大事なタイヤをお釈迦にしていたのではレースにならないのだ。そのため、ラリーのタイヤには、パンクに対して、十分な対策がとられている。それが、タイヤが硬い大きな理由だ。タイヤが硬いので、変形もし難い。激しいドリフトをしても、タイヤが極端に変形することも少ない。スリットの角で、土を掻く、これがラリーでダートを走る時のタイヤのグリップの仕方だ。それが特出しているのが、スノータイヤだ。タイヤはスタッド(スパイク)タイヤで、非常に硬い鋲が沢山タイヤに埋め込まれている。このスパイクを雪や氷に突き刺してグリップを得ている。ダート走行時も、基本的には、スタッドタイヤもスタッドレスタイヤもグリップさせる原理は同じで、タイヤと路面との摩擦でゴムを溶かしてグリップを得ているわけではない。そのため、スタッドレス(スパイクの無い)タイヤの溝が浅くなった場合は、グリップが失われてしまうのだ。タイヤをグリップをさせる発想がダートとグラベル(サーキット)では、まるで違う。このタイヤの突起で、土を掻くというダートタイヤのグリップを物理演算で出せるのだろうか。そもそも、ゴムが溶けてできる強烈なグリップも物理演算で出せるとも思えないが。ゴムと路面との摩擦だけを計算しているのではないだろうか。ゴムの摩擦係数は出るだろうが、それと、タイヤのグリップとは、必ずしも一致しない。GTSのタイヤのグリップ、特にダート走行時に、何とも言えない不自然さや違和感を感じてしまうのだ。確かにグリップが足りないタイヤもあり得るだろう。グリップの良いタイヤより、グリップの低いタイヤの方が、沢山ある。溝の深さが減っただけでグリップは減るのだから、当然だ。だが、そんな性能の悪いタイヤを標準にしてレース仕様なんてありえないだろう。タイヤのグリップに関しては、非常に難しく、どんなに高性能な車であっても、ろくでもないタイヤを装着していれば、どうにもならない車になってしまうのだ。確かに、現実のタイヤは、今までのゲーム仕様のタイヤよりはグリップは悪いだろう。だが、今回のGTSのダートでのタイヤのグリップの違和感は、なんともし難く、直ぐにタイヤを交換したくなるレベルだ。レースでのタイヤの歴史は、グリップとの戦いの歴史でもある。グリップが悪いタイヤを是とする考え方は、そこにはない。スウェーデンの雪道のコースで、ラリーカーは、平均時速で100キロを超えて走る。最高速ではない。平均時速で100キロを超えるのだ。普通に考えて、ありえない現実だが、それを実現させているのが、超強力なグリップを発揮するスタッドタイヤだ。車が高性能になっている分、タイヤの性能が非常に重要になっている。それを退化させてどうしようというのだ。少なくとも、数種類のグリップ性能を発揮するタイヤを用意するべきだろう。タイヤを選べないなんて、レースでもなんでもない。リアルでもなんでもない。アマチュアのラリーの場合は、費用を抑えるために、高価なハイグリップなタイヤを使えないレギュレーションになっていたりする。だが、トッププロの世界は、そんなものではない。GTSの志向がプロなのか、アマチュアなのか、どうにも中途半端に感じられる。世界最高峰の車を並べておいて、タイヤだけは、一種類の、それも、できの悪いタイヤを用意する。一体何をしたいのかよくわからない。









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