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2017年10月01日22:21

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三度目の殺人

いま佐藤愛子の本を読んでいるが、90歳超えの彼女のエッセイやアフォリズムはどれも「人間賛歌」にあふれている。
人間の生態や本性がいかに興味深いものか・・といった意味で。

映画「三度目の殺人」を観に行った。http://gaga.ne.jp/sandome/

是枝監督作品はけっこう見つづけている。とくにファンというわけではないのだが、人間の永遠のテーマ=人間の根源的な性(さが)や業(ごう)。同じ人間の中にある正と悪。「今という時代」と家族模様の中にそれらを映しだし問いかけるのが上手いなぁとつい観てしまうのだ。

役所公司の演技がすばらしく福山を凌駕していたが、なにより斉藤由貴の怪演が秀逸。「三度目の不倫」により今後しばらく彼女の演技が見れないのはほんとに残念だ。

自分の意志と関係のないところで人間は選別されているのか。いないのか。
生まれてこないほうがよかった人間なんているのか。いないのか。


      


動機がまったくないみえない殺人というのがあって、しかし司法の世界ではその動機を何かあてはめて罪を裁かなければならない。

本作では役所公司演じるこの殺人犯のことを「からっぽのうつわ」と称するが、ある人の生き方を有意義にするか無意味にするかも、本人以外の人の思惑に翻弄される。

「生まれてこなければよかった人間はいるんだよ」
「自分の意志と関係のないところで人間は選別されている。」
奇しくもこの殺人犯と弁護士は同じ意見だった。

そして、生まれてこないほうがよかった人間に、生まれてきた意味をもたせる。
つまり「空っぽの器」になにかを入れる=利用することの是非について
私たちは考えさせられる。

つまり「三度目の殺人」にコミットするのは私たち自身だということ。
人間の生態や本性は本当に興味深い。
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