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2017年09月08日23:59

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荒井晴彦映画祭

  荒井晴彦映画祭 in シネヌーヴォ
  https://www.lmaga.jp/news/2017/08/28342/

追悼特集かと思いきや本人はまだ生きている。そういうシャレが大阪では通じるから本人もこの企画を快諾してくれたそう。

荒井晴彦 略歴
◆1947年1月26日東京生まれ、都立立川高校卒。大学在籍時の1971年より若松プロで助監督、そして足立正生と共に出口出ネームにより脚本を執筆。その後ピンク映画の助監督、脚本執筆を経て、1977年日活ロマンポルノ『新宿乱れ街 いくまで待って』で注目を浴びる。以後、薬師丸ひろ子主演『Wの悲劇』を始め、数々の話題作、傑作を執筆してきた。日本アカデミー賞優秀脚本賞、キネマ旬報脚本賞、毎日映画コンクール脚本賞、日本シナリオ作家協会菊島隆三賞など、脚本賞の受賞は数多い。2016年には読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞した。映画監督としては『身も心も』(1997年)『この国の空』(2016年)の2本を発表。1989年より現在に至り季刊誌『映画芸術』の編集・発行人を努めている。

以下、今映画祭開催に際して荒井氏本人コメント。


 「去年の3月31日に御茶ノ水の病院から出てきた時、桜が満開だった。大げさだけど、生きて、また、見られたとうれしかった。ハシャイで琵琶湖、京都の仁和寺と遠出したのだが、その時じゃなかったろうか。前田耕作が、来年、荒井晴彦生誕70年映画祭を関西でやりませんかと言い出したのは。そんなに偉くないよ、俺、とまず思った。生誕何年とか没後何年って、もう死んじゃってて、ウリが何もない時に使う宣伝文句だよな、とも思う。まあ、冗談話で終わるだろうと思っていた。

2008年の12月、川崎市市民ミュージアム・映像ホールで、俺の特集上映があった。脚本家の特集なんて観に来る人いないよと言ったのだが、学芸員の岩槻歩は、私がやりたいからやるんです、と言って、1日2本で9回、18本を上映した。開催の2日前に「荒井晴彦特集上映を即刻中止せよ。さもないと観客全員が死ぬことになる。荒井も死ぬのだ」という脅迫状が市民ミュージアムに来て、厳戒体制下の上映だった。何も知らされず、鞄やバッグの中をチェックされた観客は、映画を観に来たのになんでこんな事をするんだと怒っていた。結局、何も起きなかった。女も男も心当たりはなかったが、俺を恨んでいる奴がいるんだというのはショックだった。

 あれから9年、大阪のシネ・ヌーヴォが特集上映してくれることになった。ありがたい。監督の名前で映画を観る人は多いだろうが、脚本家の名前で映画を観る人は少ないのではないだろうか。しかし、俺の仕事をまとめて観れば、監督は違うけれど、そこに、同じ何か、共通する何かがあるのに、気がついてくれるかもしれない。監督の「世界」ではなく、脚本家の「世界」が、そこにあることを分ってくれるかもしれない。楽しみだ。しかし、不安でもある。東京生まれ、東京育ちの俺にとって大阪はアウェイ、外国みたいなものだ。『この国の空』の京都での撮影の時もストレスが半端じゃなかった。江戸じゃ有名な脚本家らしいよとか聞えよがしに撮影所のスタッフが言ってるんだから。俺、映画は国境を越えるなんて信じてない。客が入らなかったらどうしよう。川崎では外した『時代屋の女房』と『KT』が今回は入っている。監督に脚本を無断改竄された2本だ。阪本順治とは『大鹿村騒動記』で仲直り?したけれど、『時代屋の女房』は、まだ観たことが無い。俺の映画じゃない、観るもんかと意地を張って34年、この機会に観てみようか、と、ちょっと揺れている。」

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私が観たのは藤田敏八監督の「リボルバー」(1988)。まだまだセクシーだったころの沢田研二と手塚理美のナイスバディ。でもなんといっても最高なのが、柄本明と尾美としのりの弥次喜多コンビ。確かに脚本家・荒井晴彦のうまさが際立っていた。

本作でキネマ旬報脚本賞を受賞した荒井晴彦は「評論家にシナリオがわかるのか、読みもしないで選ぶ脚本賞なんて」と啖呵を切ったが、様々な世代のキャラクターが交差する物語を見事に描いた本作は、シナリオの冴えが光り、鹿児島で起きたリボルバー強奪事件を北海道で見事に完結させている。
くるくると回るキャラクターたちの物語があたかもリボルバーの様で、それらを無事に着陸させるところに脚本家の手腕が光る。荒井はアルトマンの「ナッシュビル」と黒木の「とべない沈黙」を意識して書き、”I Shot the Sheriff”の選曲にもこだわった。藤田敏八監督の遺作ともなった。


脚本家特集の映画祭なんて・・・それも関西でだなんて・・きっとすいてるだろうと思って平日の夜に見に行ったら、超満席でびっくりした。

上映される作品は、「赤い髪の女」「神様がくれた赤ん坊」「遠雷」「時代屋の女房」「母娘監禁 牝」「身も心も」「KT]など。

荒井晴彦映画祭、大盛況のようだ。

http://cinenouveau.com/sakuhin/arai/arai.html



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