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2017年04月19日01:06
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“特別展 雪村−奇想の誕生−”＠東京藝術大学大学美術館
ひょんなことで、チケットが転がり込んで、
といっても、4/21までの招待券。
それなら！と、「雪村(せっそん)」なる絵師、
不勉強で、何も知らないながら、出掛けて行った。
4/18（火）
前日の荒天がウソのように晴れ上がり、
上野の空が大きい！
名残の桜…
藝大校門を抜け 美術館入口
まず３Ｆに上がる。
本展の主役！ 中国の仙人「呂洞賓」が入口にてお出迎え。
…と なぜか、 右を見たら…
尾形光琳の「紅白梅図屏風」が透けるタピストリー状になって…
「欠伸布袋・紅白梅図」の前に。
雪村をこよなく愛した尾形光琳が、構図をオマージュで描いたと言うのだ。
透けているのは、重ねて観よ！ということである。
なるほど！
ところで、
雪村とは、室町時代の画僧、雪村周継（1504？〜1589頃）。
「西の雪舟（1420〜1506）、東の雪村」と評される
日本水墨画の二大巨匠の1人で、
現存する作品で国の重要文化財に指定されている作品数は、
雪村が９点、横山大観は2点であるとか。 スゴイんだ！
にもかかわらず、知名度は低いらしい。
（私が知らなくてもしょうがないよね？）
※ちょっとした覚書
雪村（1504？〜1589頃）。
・・・・・・・・等伯（1539〜1610）
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 光琳（1658〜1716）
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 蕭白（1730〜1781）
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 若冲（1716 〜 1800）
雪村という名は、雪舟を意識してのことらしいが、
絵そのものは影響を受けているわけでは無いらしく、
独自の作品を産み出し、むしろ、
尾形光琳を始めとする彼以降の絵師たちに
大きな影響を与えたらしい。
第１章 常陸時代 画僧として生きる
「滝見観音図」「白衣観音図」etc…
最近、
美術展を観るのに、集中力がかなり落ちてきている。
ので、サァ〜ッとひとナメして、アンテナに引っ掛かった作品を
改めてじっくり、というのが定番になっている。
そんなアンテナに引っ掛かったのが以下。
特に、第３章の「呂洞賓図」！
龍たちが好き！
呂洞賓の、眼をひん剥いて反り返り、龍を睨みつける図がイイ！
さすが！ポスターになるだけある！！
第２章 小田原・鎌倉滞在―独創的表現の確立
「竹林七賢酔舞図」
画像が見つけられなかったけれど、楽しげに呑み踊る七賢人。
中央で酔って大はしゃぎの賢人が、雪村自画像らしい。
素敵な作品。
「欠伸布袋・紅白梅図」 上述
「百馬図帖」
第３章 奥州滞在―雪村芸術の絶頂期
「呂洞賓図」
こういう画き方をしたのは雪村が初めて。
以後、日本で呂洞賓が描かれる時の定型になったそうだ。
右手に持った壺から２頭の仔龍が… 非常に観難い…
…と、展示された作品の横に、大きく拡大された仔龍の画像があった。
第４章 身近なものへの眼差し
「猫小禽図」
猫みたいな少々不格好な虎、と思ったら、
小太り､肢が短めの､虎模様の猫だった。
第５章 三春時代 筆力衰えぬ晩年
「蝦蟇鉄拐図」
「猿候図」
猿蟹合戦！ 爪を振り上げた蟹と猿。 表情が生き生きと…
「金山寺図屏風」
展示された作品の横に、
拡大して詳細を映して見せてくれる映像が…
改めてしみじみ観直した。
３Ｆ会場を一周し終え、一休みして
地下２Ｆに降りる…
テーマ展示 光琳が愛した雪村
雪村に影響された光琳作品
第６章 雪村を継ぐ者たち
入口に、ここまでの雪村の作品を、テーマ別にまとめて見せてくれる
映像が流れている。
＜テーマ＞
意志を持つ波
吹き荒れる風
覆い被さる岩
天を仰ぐ人々
触れ合う視線
パーカッションが“和”のテイストのＢＧＭを奏でる。
ついつい魅入ってしまう、本当に良くできた映像。
そして、
自身の想いを絵に描き込め
描かれたものの“個”を大切にするという雪村の画風を、
自身の作品の中に取り込んだ、
雪村を継ぐ者たちの作品が20点ほど、会場を飾る。
ところで、ここ藝大美術館、、
小さい美術館ながら、展示の仕方がとてもイイ！
それぞれの作品に添えられている説明書きがまた、とてもイイ！
サ〜ッと観過ごしてしまう絵を、何点も、
説明書きで観直させられてしまった。
雪村…
描かれたものたちがみな個性を持つ。
風景画の中に描かれた微細な人物たちも皆、１人１人
設定を与えられて、独立して生きている。
例えば「金山寺図屏風」
寺の中で、小坊主が僧の訓話を利いていたり、
若い僧が年配の僧に説教されていたり、
道で行き会った僧に老婆が挨拶していたり…
じ〜〜っくり観ると本当に楽しい。
チケットが転がり込まねば、出逢えなかった雪村。
本当に、人とも様々な作品とも、出逢いとは偶然の延長に在るのだ。
せっかくのこの出逢いを大切に、
って、また追っかける相手が増えてしまった。
で…
ランチはいつもの「音音」にて、天せいろ。
美味しゅうございました。
同行の夫とは、
美術館内では、別行動、出口で待ち合わせ。
ランチでの会話には、極力絵の話をしないようにして、
本日は、不快にならずに、鑑賞を終えた。
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