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2017年02月23日01:50

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パリ・オペラ座『白鳥の湖』2016

パリ・オペラ座バレエ団『白鳥の湖』全3幕(約2時間30分)無料配信(MEDICI.TV)一気に見てしまった。
2016年12/8バスティーユ・オペラ座公演。
ヌレエフ版のラストは、ちょっと衝撃的な悲劇。
全幕を通して、LGBT的な薫りが漂っていて、クラシカルゆえにいっそう魅惑的。チャイコフスキーが音楽に秘めた自らの官能が際立つ。
1幕目から登場する家庭教師(=ロットバルト)の、王子に対する支配的な愛情、もしくは調教の匂い。王子に影のように寄り添い、妖しくささやき、体に触れる。第1幕コーダとなる男性16人による群舞も倒錯をほのめかす美しさ。第3幕の宮廷舞踏会は、印象派の色彩動いているよう。
大人になり切れていない王子が、オディールとロットバルトに惑わされていく姿(しかしマチュー・ガニオは美しい俳優のよう・・・)、不吉を強く予感しながらも、息子である王子の願いを聞き入れてしまう母、王妃の姿は、何とも現代的。 
第4幕は、破滅した愛、失った希望を弔う、純白の送葬だった。
群舞の構成や流れ、振付がモダンバレエ的で、クラシックバレエの中にも意思の強い進化があり、いかようにも深読みできる思想が隠れている。これがパリ・オペラ座らしさなのかなと感じた。古典バレエを鑑賞するというよりも、もっと、ドラマティックに感情が動いた。

配信は期間限定のようです。
オデット/オディール アマンディーヌ・アルビッソン
ジークフリート王子 マチュー・ガニオ
ロットバルト フランソワ・アリュ
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