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2017年01月06日16:30

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姥ざかり姥うかれ

日本老年学会が今まで65歳以上を高齢者といっていたのを75歳からにしようと提言した。現代人は心身が若返っているからだそうだ。

「一億総活躍社会」を画策する安倍政権は、今まで年寄り扱いしていた世代にまだまだ働いてたくさん消費してもらおう(経済成長に貢献してもらおう)と目論んでいる。そのうち年金も75歳から支給、なんてことになりそうだ。

確かに65歳で高齢者と呼ぶのは気の毒すぎる気がする。自分よりちょっと先輩に「実は私、もう還暦なんです」とか言われると「ええ!?」と思ってしまう。
年寄りは家でのんびり孫のめんどうをみて庭いじりと先祖供養が生きがい・・なんていうプロトタイプはいまどきの老人には該当しない。が個人差も大きい。

「お若いですね」「とてもその年には見えない」と言われると喜び、一方で「体力的にきつい」「若いころのようにキビキビと動けない」のに「まだ働けというのか」とも思う。
ここでも本音とたてまえ、自分の中の矛盾との闘いがある。

「75歳以上」提言、社会保障は
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4372268


最近ある本にハマっている。田辺聖子の「姥」シリーズ。
もう20年も前の本だが、元気すぎる高齢者についてこんなに面白おかしく書かれた本があるとは・・。田辺聖子凄いなと思う。

主人公歌子さんは76歳で、夫に先立たれ独り身だが、独身ライフを謳歌している。歯に衣着せぬもの言いで40〜50代の息子や嫁をめった切り。年寄りくささを嫌い、イケメン大好き、本音で生きる元気なばあさん。でも決して意地悪ばあさんじゃなく性格はいい。さばさばあっけらかんとイヤミを言うのは大阪弁に限る。長く生きてきたからこそ言える本音があり、人生の荒波を経験してきた年寄りだからこそ言葉に真実味がある。
高齢者社会の悲喜こもごも、嫁姑問題、孫の教育問題、詐欺被害、老齢の性の話も出てきて退屈しない。

いずれ自分もそうなる老後を「型にはめて」悲観しても仕方ないし、かといってなんの覚悟もなしに老年期に入っていくのも危険。
この本にはいろんな「年寄りあるある」が具体的に書かれており、老い衰えたあとも老人が主体性を失わないで生きていくことの困難とプライドがよく理解できる。


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