・はじめに
今日が何の日か、はどうでも良い。時間が出来たのだから餃子を食べに出る。
いつもの、未訪問店のストック帳を開く。
最初に行こうと思った店は、やっていない。
その店は、前にも一度行こうと思ったのだが、その時もやっていなかった。
某大手投稿サイトで確認したところ、「(営業しているのか)未確認店」となっている。
諦めて、この店は自身の訪問予定リストから外すことにした。
それでめげている場合ではない。次の候補を考える。それが今回の店だ。
続けて振られると時間の無駄が大きくなるので、今度は確認の電話を入れる。
営業している、とのことである。行かなければならない。
・対象
営業時間：11:00〜14:30 17:00〜20:30 定休日：日曜
駐車場は店に向かって右側には3台ぶんあるが、入れにくい。
前進で入れると出るときにえらく苦労しそうだ。
また、左側にも2台ぶんあるようだが、そこも入れにくいような感じがする。
餃子6個430円
カウンター4席、テーブル席2席、小上がり座敷3卓
カウンターはステンレス張りである。
高齢の男女と、中年の女性が働いているところは確認できた。
各卓には、酢、醤油、ラー油、胡椒2種類、七味、ソースがある。
・結果
大きさは中程度、皮の厚さも中程度である。
餡は肉がやや多め、キャベツが入っている。
ひだは作られていない。
タレも添えられた状態で供される。タレは、やや塩辛い。
・考察
この店の雰囲気は、��-72：味処 天山とよく似ている。
駅から遠くはないものの、閑静な場所でひっそりと経営しているところや、
土地代が安くないためだろうが、駐車場がえらく狭いところ、
そして店の年季、そんなところが重なって見える。
さて、餃子であるが、肉がやや多めの、目立った特徴のない餃子ではある。
しかし、皮の歯触り、すなわち焼き方については年季を感じられた。
シンプルであっても味わいや焼き方のバランスが整った餃子、と思える。
案外、質の良い餃子なのに、なぜ、店主はあえてタレを調合して、一緒に出すのか。
しかも、辛さが餃子の質と、やや合わないように思えるようなタレを。
おまけに、卓には各種調味料が置いてあり、タレを自作するのには不足がないのだ。
餃子を食べながら周囲をぼんやりと眺めつつ考える。
ヒントは、店のメニューにあるように思う。
すなわち、ここは食堂であり、ラーメン、そば、うどん、定食、さまざまである。
そこも、��-72：味処 天山あるいは��-56：味処 辰の子と似ているが、蛇足だ。
例えば、ラーメン店ならば、サイドメニューの種類はすくない。
そこで餃子を頼む者は、他のラーメン店でも大体餃子を頼んでいるだろう。
そんな客ならば、自身の好みのバランスのタレを勝手に作ることができるだろう。
餃子を食べることに慣れている客ばかりの店ならば、タレを自作させたほうが良い。
餃子がその客の好みではなくても、客が自らタレによって補正してくれるのだから。
ところが、ここの食堂では、メニューが豊富であるが故、
餃子を頼み慣れている客ばかりではないのではないか。
いつもは餃子を頼まないが、たまには餃子でも頼んでみよう、という客もあり得る。
そんな客は、餃子にタレをつけて食べることを知っている可能性は高いだろうが、
飲食店では、タレを客が調合するほうが多いことを知らない者が多いのではないか。
平たく言えば、餃子だけ出すと、「タレがないぞ」と言いがかりをつける客、
これがそれなりの数いたのではないか、と思えるのだ。
店の雰囲気(古さ)からして、高齢の客が多いと思うのだが、そうすると、
いわゆる老害客の割合も多くなるのは間違いない。
店内に、「調理の都合で、注文の順番と提供する順番が前後することもあります」
という貼り紙があるのがその証左だと思う。
老害ほど「こっちのほうが先に注文していた」と文句を言う可能性が高い。
そういったいちゃもんをつける客が少なからずいたからの貼り紙でなければならない。
すると、タレの味が濃くなっているのも、老人向けにしているから、と説明できる。
何処までが正しく、何処からが間違っているかは分からない。
しかし、そうだとしても、考えを積み重ねる時間を作り、訓練することは大事なのだ。
考えることをしないぐらいなら、もっと楽な人生を歩もうとしていると思う。
・まとめ
評価は3である。餃子のバランスはかなり良いほうだと思うのだが、
タレが、足を引っ張ってしまっている。
しかしながら、その原因を作ったのは、たぶん、客なのだと思う。
質の低い客は店の価値すらも下げる、というのは真実だと思うのだ。
あとはもう、自身が老害と言われないように生きていきたい、と思う次第である。
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