何故、Ｓ氏を今更語るのか

　　それは僕自身を語る事に他ならないから。誰でも、ある人を語れば自分の事を理解してもらえる人がいるものだと。それは父母かも知れないし、先生かも知れない。それを語っていき、親友なり、結婚相手も出るものである。
　　僕はそれに値する人物は元患者の伊藤まつさんだと長らく思ってきた。でも、旧友含め、誰も僕を理解してくないんだよね。違うと思い、Ｓ園関係だと今年初めには思うようになって、その意味もあり、Ｓ園の事を書き続けたが、それも違ったようだ。子供会関係でもなかった。
　　原一男氏との再会をきっかけに思い出したＳ氏。確かに、両親や先生以上に深く教えられた面がある。因みに、同級生たちの場合は、Ｓ氏と対立した先生を以上の自己説明目的に話している。僕が一切語らない人たちの事を。
　　誰でもそのような人がいるが、僕は長らく忘れていた。非常に皮肉な事だと思うし、何か意味があるに違いない。忘れる事も意味があるわけです。