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2016年08月15日02:45

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「数字が強いる苦行は自由への過程である」第9章『プロフェッショナルマネジャー』ハロルド・ジェニーン

 数字はシンボルである。それ単独では単純な意味しか持たないが、複数の数字をつなげると複雑な意味を持つようになる。ビジネスの世界では、企業の活動を測定するのに役立つシンボルである。数字は文章と同様、相互の関係で理解される。売上高1000億円の企業が稼いだ1億円と、売上高10億円の企業が稼いだ1億円では意味合いが異なるだろう。

 
 数字に注意を払うことは苦行である。会社のことを深く知ろうとすればするほど、多くの数字を相手にする羽目になる。しかしながら、数字と事実で自分を飽和させれば、かならず含蓄のある理解をもたらす。数字相手の苦行は、じつは自由への過程なのだ。数字をマスターしてしまえば、それを読むことは、文章を読むのと変わらなくなる。自然と意味が分かるようになるのだ。


 目では数字を見ていても、頭の中では「市場」「コスト」「戦略」「新製品」などを読んでいる。数字を通して読むことを学びさえすれば、努力しようとしなくとも、ひとりでに見えてくる。数字の背後で起こっていることを突き止めることができるのだ。


 難解な小説を読むことはできても、ずらりと並んだ数字にぶつかると見たこともない言葉に出会ったかのように心細くなる人間は多い。だが、数字を読む能力は、経営者だけではなく、銀行、証券アナリスト、株主などにとっても、必要な能力である。外国語を学ぶときと同様、訓練しなければならない。マスターすれば、自信をもって自由に行動できるであろう。


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