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2016年07月09日01:33
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読了５冊 お江戸物
｢みだら英泉｣／皆川博子
英泉…
こんな浮世絵師が居ると知ったのは､
北斎の娘｢お栄｣(＝応為)を追いかけはじめたから｡
下級武士の子として生まれ､12歳で絵筆を取り､
狩野派の技法を学ぶも､狂言作家を目指して見たり…
20歳で両親を亡くし､３人の妹を養わねばならなくなって、
浮世絵師渓斎英泉が誕生した。
独自性の際立つ退廃的で妖艶な美人画で知られ、
春画と好色本にも作品が多い。
｢浮世姿吉原大全｣
そんな彼の退廃的な人生を、
それぞれ全く違った生き方を選んだ３人の妹を絡めて描く｡
お栄さんがいかにもお栄さんらしく､頻繁に登場するのが嬉しい｡
｢ひらひら −国芳一門浮世譚−｣／岡田屋鉄蔵（コミック）
タイトルと言い、内容と言い、
既出の｢ 国芳一門浮世絵草紙｣シリーズ／河治和香の中の一編の
漫画化かな？と思うような素敵な作品､
(しかし､岡田屋氏のｵﾘｼﾞﾅﾙ作品！)
「めェが捨てた命、この国芳が拾おう」
田坂伝八郎(後の歌川芳伝)が身投げした川で､
ちょうど国芳一門が舟遊びをしており…
そんなわけで､国芳の弟子となった伝八郎。
絵師として頭角を現したが､、国芳に言えない過去があった―。
岡田屋鉄蔵の描く江戸娯楽時代劇、ここに開幕ッ!!
粋で鯔背な国芳と一門の優しさが染み入る佳作｡
｢江戸風狂伝｣／北原亞以子
伊達くらべ ＝豪商石川屋六兵衛妻およし
あやまち ＝池大雅 玉瀾夫婦
憚りながら日本一 ＝和泉屋甚助 太申染め
爆発 ＝平賀源内
やがて哀しき ＝藤枝外記
臆病者 ＝歌川国芳
いのちがけ ＝馬場文耕
お江戸を騒がせた稀代の風狂たち｡
彼らが賭けたのは意地？命？
確かに､国芳も立派なお江戸の風狂の１人である｡
｢阿蘭陀西鶴｣／朝井まかて
盲目の身ながら、母に教わり料理も裁縫もこなす。
幼い弟たちの面倒を見る。
けれどその母が死んだとき、父は娘に頓着せず、
我（わ）が身の不幸を嘆くだけ。
それどころか、
妻の死を悼む千句の俳諧集を出版し、自分の名を売る始末。
この父が井原西鶴で、娘が｢おあい｣｡
江戸時代を代表するベストセラー作家・井原西鶴を、
娘の語りで綴（つづ）った､作家小説であり父娘小説だ。
そんなヒッドイ親父ではあるけれど､それなりに娘を愛おしく思っていたらしい｡
それをおあいもわかって…
北斎と言い西鶴と言い､どうも､何かで名を成す者には､
父を支える本当に良くできた娘が居るようだ｡(笑)
｢命賭け候 ―浮世絵宗次日月抄―｣／門田泰明
妖し房／舞の剣／命賭け候
サブタイトルの“浮世絵師”に喰付き！
でも、表紙からちょっと予想とは違うかなぁ〜と予感しつつ…
それでも馴染みの浮世絵師や彫師擦師のエピソードを期待して
読み始めたのだが､
やはり期待は裏切られた｡
主人公「宗次」はお江戸の浮世絵師｡
女の裸身を描かせたら天下一品 ということで､
近在の後家たちを騒がせている｡
しかし彼､実はとんでもないお血筋のご落胤｡
その周囲に起こる事件を､
最終的には｢揚真一刀流剣法｣と「揚真流柔術｣でイッキに片づけ…
そんな… よくあるアクション時代小説だった｡
宗次が浮世絵師である必要もなく､
他の浮世絵師やその周辺の話もほとんどなく､
台詞も､
いい育ちの料亭の女将が｢ありんす｣なんて言ったり…
なんだかちょっと違和感が
このシリーズはこれ１冊でやめておく｡
英泉…
こんな浮世絵師が居ると知ったのは､
北斎の娘｢お栄｣(＝応為)を追いかけはじめたから｡
下級武士の子として生まれ､12歳で絵筆を取り､
狩野派の技法を学ぶも､狂言作家を目指して見たり…
20歳で両親を亡くし､３人の妹を養わねばならなくなって、
浮世絵師渓斎英泉が誕生した。
独自性の際立つ退廃的で妖艶な美人画で知られ、
春画と好色本にも作品が多い。
｢浮世姿吉原大全｣
そんな彼の退廃的な人生を、
それぞれ全く違った生き方を選んだ３人の妹を絡めて描く｡
お栄さんがいかにもお栄さんらしく､頻繁に登場するのが嬉しい｡
｢ひらひら −国芳一門浮世譚−｣／岡田屋鉄蔵（コミック）
タイトルと言い、内容と言い、
既出の｢ 国芳一門浮世絵草紙｣シリーズ／河治和香の中の一編の
漫画化かな？と思うような素敵な作品､
(しかし､岡田屋氏のｵﾘｼﾞﾅﾙ作品！)
「めェが捨てた命、この国芳が拾おう」
田坂伝八郎(後の歌川芳伝)が身投げした川で､
ちょうど国芳一門が舟遊びをしており…
そんなわけで､国芳の弟子となった伝八郎。
絵師として頭角を現したが､、国芳に言えない過去があった―。
岡田屋鉄蔵の描く江戸娯楽時代劇、ここに開幕ッ!!
粋で鯔背な国芳と一門の優しさが染み入る佳作｡
｢江戸風狂伝｣／北原亞以子
伊達くらべ ＝豪商石川屋六兵衛妻およし
あやまち ＝池大雅 玉瀾夫婦
憚りながら日本一 ＝和泉屋甚助 太申染め
爆発 ＝平賀源内
やがて哀しき ＝藤枝外記
臆病者 ＝歌川国芳
いのちがけ ＝馬場文耕
お江戸を騒がせた稀代の風狂たち｡
彼らが賭けたのは意地？命？
確かに､国芳も立派なお江戸の風狂の１人である｡
｢阿蘭陀西鶴｣／朝井まかて
盲目の身ながら、母に教わり料理も裁縫もこなす。
幼い弟たちの面倒を見る。
けれどその母が死んだとき、父は娘に頓着せず、
我（わ）が身の不幸を嘆くだけ。
それどころか、
妻の死を悼む千句の俳諧集を出版し、自分の名を売る始末。
この父が井原西鶴で、娘が｢おあい｣｡
江戸時代を代表するベストセラー作家・井原西鶴を、
娘の語りで綴（つづ）った､作家小説であり父娘小説だ。
そんなヒッドイ親父ではあるけれど､それなりに娘を愛おしく思っていたらしい｡
それをおあいもわかって…
北斎と言い西鶴と言い､どうも､何かで名を成す者には､
父を支える本当に良くできた娘が居るようだ｡(笑)
｢命賭け候 ―浮世絵宗次日月抄―｣／門田泰明
妖し房／舞の剣／命賭け候
サブタイトルの“浮世絵師”に喰付き！
でも、表紙からちょっと予想とは違うかなぁ〜と予感しつつ…
それでも馴染みの浮世絵師や彫師擦師のエピソードを期待して
読み始めたのだが､
やはり期待は裏切られた｡
主人公「宗次」はお江戸の浮世絵師｡
女の裸身を描かせたら天下一品 ということで､
近在の後家たちを騒がせている｡
しかし彼､実はとんでもないお血筋のご落胤｡
その周囲に起こる事件を､
最終的には｢揚真一刀流剣法｣と「揚真流柔術｣でイッキに片づけ…
そんな… よくあるアクション時代小説だった｡
宗次が浮世絵師である必要もなく､
他の浮世絵師やその周辺の話もほとんどなく､
台詞も､
いい育ちの料亭の女将が｢ありんす｣なんて言ったり…
なんだかちょっと違和感が
このシリーズはこれ１冊でやめておく｡
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