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2016年06月14日13:36

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森村泰昌アナザーミュージアム

森村泰昌はいまや世界的な美術家だが、今でも生まれた町(大阪市天王寺区)に住んでいる。そして、住之江区(北加賀屋)にある造船所跡を製作やパフォーマンスの拠点にしている。それが同じ大阪人としてはとても嬉しい。

いま「森村泰昌 自画像の美術史〜私が『わたし』と出会うとき」が中之島の国立国際美術館で開催されている。
彼が約30年間取り組んできたセルフポートレイトシリーズの集大成ともいうべき大規模回顧展だ。
その会期中森村本人がレクチャーする12回の連続講座「新・美術寺子屋/自画像の話」が好評で、さる6/12(日)はその講座が会場を住之江区の名村造船所跡(クリエイティブセンター大阪)に移して行われた。

  テーマは「アンディ・ウォーホール」

・・とくれば、聴講に行かないわけにはいかぬ(笑)。以前から森村氏のファンなので、一度実物に会ってみたいとも思っていた。
時間になって彼は「Morillo」の箱をかかえて登場した。ウォーホールの代表作「Brillo」(洗剤)の箱そっくりに作った森村氏のパロディである。その箱から資料をいろいろと出して講演を始めた。

森村氏はつるんとした歌舞伎役者のような顔立ちでスレンダー。美輪明宏みたく両性具有的な外見。だからどんな扮装をしても(女装も)とても似合う。見た目の印象と大阪弁とのギャップもおもしろい。

彼のレクチャーは2時間以上に及び、アンディー・ウォーホールがどのような手法で巧みに時流にのり、ポップアートの頂点に上り詰めていったかパワポを用いて、わかりやすく解説してくれた。
最後には「アンディ大喜利」という趣向で、ウォーホールが残した名言に対して私ならこう言い返す、というパフォーマンスを展開。満席の会場は笑いに包まれた。
私はウォーホールについてはかなりくわしいので、ほぼ知っていることばかりだったが、「ウォーホールの自画像とは、ウォーホールの方法である」ということがとてもよく理解できる講座だった。

実はこの会場、名村造船所跡のことはなんとなく知っていた。仕事の打ち合わせで何度か北加賀屋に来ることがあり、「近代化産業遺産」と銘打ったこの建物はなんぞや?と思っていたのだ。

NAMURA ART MEETING ’02〜’32として、名村造船所の跡地や建物を芸術家のアトリエや発表の場、イベント会場として活用しているようだ。

国立国際美術館との同時開催の「森村泰昌アナザーミュージアム」では、彼が制作した作品の実際の小道具たちや大規模な部屋のセットが展示されていた。
ウォーホールのファクトリー、フリーダ・カーロのドレスルーム、フェルメールの部屋、ゴッホの部屋など。

あと、本人が画家になりきった作品の背景ばかりを集めた展示もあり…
なるほどそうやって作り上げていくんだなという気の遠くなるような行程の一部をぞかせてもらった。

フォトアルバム:https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000099415861&owner_id=168303


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