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2016年03月24日12:24

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ニセ科学商法

テレビを見ていると近頃”水素水は体にいい”ということで”水素水”を1杯数百円で提供するという宣伝があった。
おどろいた、水素は生体系とは何の反応もしない。つまり水素を取り込んでも体には何の影響も与えないということだ。
1杯分数百円の価格はコップ1杯の水道水を数百円出して飲むようなものだ。
だいいち水素ガスは水に溶けない。

いずれ厚生省などでその効果を否定する話が出てくるだろうが、それまでに大量に売って稼ごうとする商魂が見え見えだ。

このようなニセ科学商法は昔から枚挙にいとまがない。

最近は下火になった、というか定着してしまったことに「マイナスイオン」がある。
大手メーカーから怪しげな小企業まで「マイナスイオン」をウリにして商品をだしたり商売をしているのはものすごくある。
大手もそれをかかげて商売しているため「マイナスイオン」が科学的な効果を証明されているかのような話になっている。

「マイナスイオンが数十万個出ている」なんてことがうたい文句になったりしているが、化学で数十万個などという数字は「無いに等しい」と言うことと同じだ。

化学の単位にmolというのがあるが、1mol=アボガドロ数だ。1molはその物質の分子量にgを付けたものでたとえば水素は2g、酸素は32g、炭素は12gなどとなる。
気体ならば0℃1気圧で22.4Lだ。

原子、分子、イオン、電子その他の粒子、またはこれらの粒子の集合体を定義するのにmolという単位を使う。
アボガドロ数は6×10^23個だ。(6×100000000000000000000000) 10万や1億はこの数の前では0に等しい。

これらは高校の化学で習ったが化学で苦労したのでいまだに覚えている。

「マイナスイオン」は科学用語ではなく、ましてや「マイナスイオン」という物質があるわけでもない。
マイナスイオンというからにはイオンのことだと思うが、科学用語としてはイオンは陽イオン(Positive ion)陰イオン(Negative ion)と言い、かならず化学種がある。
つまり**の陽イオン、**の陰イオンと言う。
「マイナスイオン」とは何のイオンだろうか。何かの陰イオンのことかもしれないが、その効果は”体にいい””有害物質を取り除く””脱臭作用””殺菌作用”・・・・・まるで万能薬だ。

便乗品としてマイナスイオン測定器なるものもある。イオンはその環境によって大きく変わるのでそれらを測定して補正しないと量的なことはわからない。
名刺サイズの測定器で何をどう測っているのだろうか。

部屋に植物を置くと植物からマイナスイオンが出てくるので、花や観葉植物をたくさん置いているなんて話があったりするが、物質をイオン化するには結構高いエネルギーがいるので低い植物エネルギーでイオンが出来るとは考えにくい。

こういったもので”効果がある”とするのはそれらの販売会社や製作者だけで、その効果がオーソライズされたものは皆無である。
つまり公の機関でその効果を証明されたものは無い。

そのほか”水のクラスター”、”血液型”、”血液さらさら”、”超能力””心霊現象””**占い””永久機関”などニセ科学(トンデモ科学)は星の数ほど出てくる。


CMに”水素水””マイナスイオン””トルマリン””電気石””ルルドの水”などの言葉がでてきたらそれはニセ科学のインチキ品だ。

シャープもいい加減こんなものから抜け出していれば会社がおかしくなることもなかったかもしれない。
パナソニックにも結構この手の商品が多い。

日本人の一般市民の科学意識は他国に比べて低いとの調査結果も出ている。数年前新聞にも出ていた。
http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/mat196j/pdf/mat196j.pdf
http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/2007/2007-05/page08.html

そのため日本ではニセ科学でだまされる割合が非常に高いらしい。

我々もふだん常識的な科学知識ぐらい身に付けてニセ科学商品に騙されないようにしよう。
さらに他国に比べて科学意識が低いなんて言われないようにしよう。(アジアでも低いほうだと言われている)



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