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2016年02月27日10:06

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世につまらない本はない[読書日記564]

題名:世につまらない本はない
著者:養老 孟司+池田 清彦+吉岡 忍(ようろう・たけし、いけだ・きよひこ、よしおか・しのぶ)
出版:朝日新聞出版
価格:600円+税(2015年12月 第1刷発行)
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マイミクさんお薦めの読書についての本です。
二部構成で、第一部が【「養老流」本の読み方】、第二部が【[鼎談]バカにならないための本選び】です。
この鼎談は「ミステリーと言えば」のようにテーマが決まっていて、それに沿って著者お三方推薦の本が紹介されています。

第一部の養老孟司さんの話も抜群に面白いのですが、ここでは第二部から、自分が読みたくなった本を3冊を引用します。

1.「ミステリーと言えば」から吉岡さん推薦の“幸田露伴 『幻談』”:
“ホラーっぽくて、夏にぴったりな短編。暇さえあれば釣りをしている武士と船頭が海に出たものの、3日も4日も釣れない日々が続く。
あきらめて帰ろうとすると、いい釣り竿が波間にぷかぷか浮いているのが見えるわけ。
引き上げてみると、水死した死体がその竿の端を握っていて気味が悪い。
そうはいっても、特別な竹のすごくいい竿だとわかり、二人は逡巡して、結局それを拾って釣ってみる。そしたら、めちゃくちゃ釣れるんだ。……”(136p)

さすがに紹介も上手いですね。

2.「伝記は女が書く」から養老さん推薦の“『マイ・グランパパ・ピカソ』”:
“暴露本みたいな面はあるけれど、女の視点から見るピカソ像が生々しく描かれていて、美術の専門家が書く評論よりよっぽど面白い”(186p)

この本の筆者はピカソの孫娘だそうです。

3.「太宰と安吾」から池田さん推薦の“太宰治 『富獄百景』”:
“太宰がすさんでいないときだから、文章もきれいだし、天下茶屋に逗留して、くだらないことしてるだけの話だけど、読ませる力があった。リズムもいい。同じ中期の作品『津軽』もいいよ”(197p)

このあと、養老さんから“『走れメロス』は借金を返すために走り回っていたことからできた作品らしいけれど〜”というエピソードも添えられています。

テーマは14あり、それぞれお三方が3冊を推薦しています。
つまり、1テーマ9冊×14=126冊。
このうち、21冊が自分の“読みたい本リスト”に追加され、さらにリストが長くなってしまいました。

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養老 孟司(ようろう・たけし)
1937年神奈川県生まれ。
解剖学者、東京大学名誉教授。
89年『からだの見方』でサントリー学芸賞、2003年『バカの壁』で毎日出版文化賞特別賞授賞。
著書に『養老訓』『養老孟司の大言論』『自分の壁』『文系の壁』『虫の虫』など多数。

池田 清彦(いけだ・きよひこ)
1947年東京都生まれ。
生物学者、早稲田大学国際教養学部教授、山梨大学名誉教授。
著書に『生きているとはどういうことか』『生物学の「ウソ」と「ホント」』『同調圧力にだまされない変わり者が社会を変える。』『心は少年、体は老人』など多数。

吉岡 忍 (よしおか・しのぶ)
1948年生まれ。
作家。87年『墜落の夏――日航123便事故全記録』で講談社ノンフィクション賞、日本ジャーナリストクラブ大賞授賞。
著書に『奇跡を起こした村のはなし』『ある漂流者のはなし』『ニッポンの心意気 現代仕事カタログ』など多数。

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