mixiユーザー(id:11119457)

2016年02月11日17:30

266 view

怪奇探偵リジー&クリスタル/イデアの影/作家の収支

山本弘「怪奇探偵リジー&クリスタル」角川書店

------------
第二次大戦前の1938年。
ロサンゼルスに事務所を構える、女性私立探偵エリザベス・コルト(通称:リジー)と、助手の少女クリスタルのコンビが、街を震撼させる奇怪で残忍な事件に、特殊な身体と知性を駆使し、勇敢に立ち向かう。
パルプマガジンの表紙絵にそっくりな惨殺死体、幻の特撮映画上映中に消えた人々、甦る中世イギリスの錬金術師の魔法、謎めいたタイムトラベラー、異空間から紛れ込んできた凶獣の暴走…。
型破りな謎と解決法が痛快で楽しい5篇を収録。
------------

山本弘さんの連作SF短編シリーズです。
1938年のロサンゼルス。女性探偵と助手のコンビが奇怪な事件に立ち向かいます。
懐かしい怪奇SFものをよみがえらせた作品です。
主人公二人の設定も凝っています。
特撮映画ファンにはたまらない第2話、一番いいのは第4話、懐かしのSF作家が登場し、ある人物をタイムトラベラーが励ます所泣けました。
山本さんのお好きなエドモンド・ハミルトンやリイ・ブラケットも登場します。
やはり山本弘さんは面白いです。


森博詞「イデアの影」中央公論新社

------------
彼女は病院にいる。館を離れ、あの家政婦から逃れ。
彼女は思う。彼女が愛した男たちを――理知的でリリカル。
美しく繊細な「幻想小説」。
------------

森博詞さんの長編小説です。
谷崎潤一郎の没後50年のメモリアル作品です。
森さんは谷崎潤一郎が好きなそうでちょっと意外な組み合わせでした。
幻想小説というかお話は良く分からない所もありますが、森さんの文章は読ませ
ますね。


森博詞「作家の収支」幻冬舎新書

------------
1996年38歳のとき僕は小説家になった。
作家になる前は国立大学の工学部助教授で、月々の手取りは45万円だった。
以来19年間に280冊の本を出したが、いまだミリオンセラの経験はなく一番売れたデビュー作『すべてがFになる』でさえ累計78万部だ。
ベストセラ作家と呼ばれたこともあるが、これといった大ヒット作もないから本来ひじょうにマイナな作家である―総発行部数1400万部、総収入15億円。
人気作家が印税、原稿料から原作料、その他雑収入まで客観的事実のみを作品ごと赤裸々に明示した、掟破りで驚愕かつ究極の、作家自身による経営学。
------------

森博詞さんが作家としての収入、そして作家を経営するという事について書いた新書です。
とにかく作家業での収入について克明に書いている所がすごいです。
森さんは大ヒット作はないと書いていますが、Fシリーズはコンスタントに売れていて、最近ドラマとアニメにもなったので大ヒットといっていいのでは。
森さんは今は英国?在住の様ですが、半引退してからも新作が出ているのはうれしいですね。
そのあたりも書かれています。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年02月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
2829     

最近の日記

もっと見る