mixiユーザー(id:3102427)
2016年01月01日16:36
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「狛犬ジョンの軌跡」／垣根涼介
先輩チーズさんお薦めの本作｡
表紙の画が､すでにネタバレ！(笑)
そう…
ある事情があって､石の狛犬さんが､
｢生き物｣となって､“自由”を得たのだ！
千葉の郊外の自宅で､１人で設計事務所を構える､｢おれ､太刀川 要｣は､
ある夜､車で移動中､何かを轢いた… ような気がした！
車を飛び降りて調べてみると､超大型犬が道路のわきに倒れていた｡
取りあえず､車に乗せ､親切な獣医に運び込んでみると､
自動車事故ではなく､刃物による人為的な刺し傷があることがはっきりし､
手当のため入院させることにして､自宅に戻った翌日､
獣医から電話が入った｡
｢あの犬が居ると､他の患畜たちが異常行動を起こす｡｣と言うのだ｡
親切な獣医に迷惑を掛けたくなかった要は､
幸か不幸か､超大型犬を飼育できる環境でもあったため､
自宅に引き取ることにした｡
そしてやってきた大きな黒犬…
獣医も､犬種については首をかしげ､
｢ロットワイラー｣
と､
｢レオンベルガー｣
が､実に巧く配合され､双方のいいとこ取りしたような､
よくわからない犬だと言う｡
デカイ体､無表情な顔ながら､
決して攻撃的ではなく､
時に､
人の言う事が分かるような驚くような行動をすることもあり…
要は､取りあえず｢ジョン｣という名を付けた｡
…と､要の視点からストーリーを書いたが､
その合間に､ジョンの独白が､絶妙の“間”で挟まってくる｡
500年近く､石の狛犬として神社の入口に座り続けた彼の言葉は深い｡
また､そんな視線で語られる､
ごく普通の人間の日常は､なかなか面白い｡
(そういえば､狛犬さんって､排泄した事ナイのよね〜〜 笑)
その後､
銚子市の繁華街で起こった、
地元の不良少年４人が大きな犬のような動物に襲われ､
３人は殺され､１人は大けがを負ったと言う事件が新聞に載った｡
そこで採取された動物の血液は､どうも犬のものでは無いという｡
ジョンとの関係を疑った要は､詳細を調べ始め…
最後に辿り付いた先は銚子市南部愛宕山の満田八幡神社だった｡
そんなある日､大きなドーベルマンが､ジョンを襲おうとし､
要がジョンを庇って噛まれ大けがを負った｡
その直後､ジョンはそのドーベルマンをあっさり屠っていた｡
そして､その騒ぎの中､ジョンはひっそり姿を消した…
読み始めてすぐ､この超大型犬の存在にズキュン！とヤラれた！
お会いしたいな〜！
もっとも､彼の辛口独白でドー思われるかが怖ろしいけれど…
石の狛犬がなぜ“生”を得たのか？
それは
｢激しい喪失の悲しみと気も狂うような怒り｣に依るもの｡
そんな彼は､限りなく優しく､また､限りなく非情で冷酷である｡
正に｢神｣の在り方がこれだろう｡
大昔、(笑) 外国の犬ものドラマ全盛期､
｢名犬ラッシー｣､｢名犬リンチンチン｣と並んで
｢名犬ロンドン｣というのがあったのをご存知だろうか？
https:/
ラッシーやリンチンチンと違い､
ロンドンは放浪の犬｡
街々で､出逢った人を幸せにし､
これから一緒に！という時､スッと姿を消すのだ｡
〜♫ あの〜街 この街〜 しぃあぁ〜わせは いずこぉ ♫〜
今もテーマソングを覚えているほど､
私はこの作品が大好きだった！
ジョンも､また違う街で､様々な人と関わって､人間観察を続けて頂きたい｡
シリーズ化､切望！ である｡
で…
この愛宕山の満田八幡神社｡
実在の神社ではないのだけれど､
Netの世界には凄い方がいらして､
作家の文章から､モデルになった神社を突き止めた方がいらっしゃった｡
その情報によると､
神社は､｢都波岐(つばき)神社｣
実際の狛犬さんは､こんな感じ｡
機会があったら､ぜひ寄ってみたい所が､また増えた｡
せめて､新年最初の日記にUPして､
二次元初詣でを､ココで！
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