石垣りんの詩を、久しぶりに目にした。
飾らない言葉だからこそ、哀しみがすっと浸透してくる。
「声
石垣りんさんはどこにいますか?
はい ここにいます。
はい このザブトンの温味が私です。
では いなくなったら片付けましょう」
自分が消滅したら、その直前まで座っていた座布団の窪みに、
私を知る人はどんな想いを持つだろうか。懐かしく感じてくれるだろうか。
過去も未来も無く、同じ空間と時間を共有する人同士が互いの良いものを出しながら、
その瞬間の想いの記憶だけを刻んでいく。
きっと、それこそが最良の生きた証。
ならば自分はどう過ごしていけばいい?
ひとり、ふと想いを馳せる年の瀬。
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