カンボディア、ヴェトナム見聞録

本当は、ブータンへ行くつもりだったのだ。

今年３月、2018年W杯ロシア大会のアジア１次予選で、ブータンがスリランカをホームとアウェイでともに下し、２次予選に進むことが決まった。
アジア１次予選というのは、ブータンのほかにインドやブルネイ、マカオ、東ティモールといった、いわゆる弱小国が篩いにかけられるラウンドのこと。
これを初めて突破したブータンは、続く２次予選の組分けによっては我が国日本と対戦することになるかもしれない！という状況になったわけだ。
日本のサポーターも、これにはちょっと盛り上がった。
そして、もしブータンと同組になったら試合観にブータン行かない？いいねぇ！みたいな会話が、我が家でもさっそく交わされたことであった。


クアラルンプールのアジアサッカー連盟でのグループ分け抽選会の結果、ブータンは、中国、カタール、香港、モルディヴのグループCに入り、残念ながら我々との対戦機会は得られぬまま、恐らくは最下位で２次予選を去ることになりそうだ。
なにしろ、中国から12点、カタールからは15点も取られてしまっている。
残念ブータン、また次の機会に会おうな。

日本はというと、グループEに入った。
ええっと、この組で「ブータン的な国」っていうと、どこだ・・・？
シリア、アフガニスタン、シンガポール、カンボジア・・・・・・カンボジアかぁ。
カンボジアといえば、アンコールワットだよね。
別段興味はないけどさ、ついでってものがあるじゃない？
・・・行っちゃう？
・・・行っちゃおうか？


というわけで、半分冗談で始まった海外遠征の企画は、相棒が、あの会社には珍しく丸々一週間の休暇の承認が下りてしまったために、粛々と具体化してしまった。
写真を撮り、パスポートを更新して往復の航空券を手配、ネットでEヴィザというものを取って、旅程を詰めながら、宿泊地を決めて宿を攻略していく。
と同時に、猛然とアンコール遺跡をしゃぶり尽くすための下調べを始めた。
カンボジアだけでおとなしく帰ってくるつもりだった私は、実は本人が台湾へ旅行に行きたいと思っているらしい相棒の上司の余計な配慮のおかげで、日程を延長して旅の後半をヴェトナムで過ごすはめになったため、20年前に本気で行くつもりだったくらい興味のあったヴェトナムに気を取られすぎないように、敢えてそこから目を背けて、クメールに没頭しようと考えたのだ。
『地球の歩き方』ベトナム版には、ほとんど目を通さなかった。


しばらくご無沙汰しておりましたが、そういうわけで、無事帰国いたしましたので、これからちょっとずつ、彼の地の見聞録をしたためて参ります。
お時間のある時にでも、ぼちぼちお付き合いいただければ幸いです。






＊アジア予選の経過は、FIFAのサイトで。
スコアの部分をクリックすると、試合詳細がみられます。
日本人審判団も、各地で活躍中。
http://www.fifa.com/worldcup/preliminaries/asia/all-matches.html