mixiユーザー(id:11119457)

2015年10月24日08:16

246 view

ifの幕末/影の中の影/「谷根千」の冒険/約束の国

清水義範「ifの幕末」集英社文庫

------------
十九世紀半ば、ゴールド・ラッシュに沸くアメリカに、周囲の男たちから浮いた優雅な身なりの青年が。
金鉱を見物に来たフランス人のシオンは、帰国する船賃稼ぎ中のジョン万次郎と出会い、日本への興味を深める。
数年後、シオンはオランダ人と偽って開国目前の長崎へ。
美しい顔立ちと行動力を武器に、幕府の大物たちに接近し、ついには―。
歴史の隙間に“もしも”を巧みにちりばめた傑作長編。
------------

清水義範さんの長編小説です。
アメリカでの主人公シオンとジョン万次郎の出会いで物語は始まります。
来日したシオンは幕府の外交顧問となりその活躍で幕末の歴史が変化していきます。
勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰、西郷隆盛など幕末の重要人物がふんだんに登場し、歴史の変化もうまく行きすぎる所もありますが、ありえたかもと思わせる展開で読ませます。


月村了衛「影の中の影」新潮社

------------
人民解放軍による悪魔の所業から逃れ、日本に潜伏中のウイグル人亡命団と、事件を追う女性ジャーナリストが襲われた。
証拠隠滅をはかるべく送り込まれた中国の刺客。それを黙認する弱腰の日本政府と警察。
絶体絶命の亡命団に、謎の男が救いの手をさしのべた。
頭脳明晰、身体屈強。ロシア武術を極め、情報機関にも裏社会にも怖れられる存在―。
こいつは一体何者なのか?その手がかりは、謎の言葉「カーガー」。
------------

月村了衛さんの最新長編小説です。
主人公の女性ジャーナリストがウイグル人の連続殺人事件を追ううちに裏に中国の陰謀がある事が分かってきます。
絶対絶命の危機に謎の男が救いの手を差し伸べます。
その男の名は「カーガー」。中国の暗殺者の手から主人公らは逃れられるのか。
さすが月村さん本作もとても面白かったです。月村作品に外れなしです。
お話はきっちり終わっていますが、ある悪役が完全には倒されていないので続編も読みたいですね。


森まゆみ「「谷根千」の冒険」ちくま文庫

------------
コンクリートと鉄とガラスの東京で、いまだ古き良き面影をのこす台東区谷中、文京区根津・千駄木。
経験もお金もないけれど情熱と好奇心だけは誰にも負けない4人の若い母親が、この愛する自分たちの町のために、地域雑誌を創刊した。
歴史を掘り起こし、自然を守り、お祭りを盛りたて、地上げと闘い東奔西走。
多くの読者に支持される地域雑誌『谷中・根津・千駄木』のちょっと早すぎる自叙伝。
------------

森まゆみさんらが創刊した地域雑誌「谷中・根津・千駄木」(愛称:谷根千)についてまとめた本です。
若い母親4人が集まって創刊した雑誌のあれこれを描きます。
私の読んだ文庫版は2001年刊。ちなみに「谷中・根津・千駄木」は2009年に最終号が出たそうです。
知らなかったので驚いたのは「円朝まつり」を始めたのは森さんとその仲間達だったという事。
それまでも落語家たちが円朝忌をやっていたそうですが。
東京駅立て直し計画を撤回させた運動にも関係していたのだそうです。


カルロ・ゼン「約束の国1」講談社

------------
ヒルトリア社会主義連邦共和国──党と国家機構が融合し、“兄弟愛と統一”のスローガンの下、五民族・五共和国が薄氷の上に共存共栄する共産主義国家に時を越えて舞い戻ったダーヴィド・エルンネスト。
過去か未来か、“共産主義”か“民族自決”かの二者択一の正解を求め、ダーヴィドは仲間と共に、ヒルトリア連邦人民軍で栄達を重ねていく……。
『幼女戦記』のカルロ・ゼンが贈る“共産主義英雄譚”開幕──。
------------

友人の勧めで早速読みました。いいですね。
ユーゴスラビアを元にした国での主人公の活躍を描きます。
思いっきりダークな始まりで1巻の前半は割と地味ですが、後半は読ませます。
佐藤大輔テイストはかなりありますね。2巻以降も楽しみです。
「幼女戦記」も入手してみようかな。

2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年10月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

最近の日記

もっと見る